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シリーズ 患者さんの言葉の本当の意味を考えていますか その11回
「もう年だから」の本当の意味を考えていますか?
「もう年だから。」
リハビリをしていると、患者さんからよく聞く言葉です。
立ち上がる練習を勧めたとき。
歩行練習を始めようとしたとき。
新しいことに挑戦しようとしたとき。
患者さんは、少し笑いながら、
「もう年だから。」
と話されます。

この言葉を聞くと、
「そんなことありませんよ。」
「まだまだできますよ。」
と励ましたくなることがあります。
もちろん、その言葉が患者さんの励みになることもあります。
でも、一度立ち止まって考えてみてください。
患者さんは、本当に年齢の話をしているのでしょうか。
「もう年だから」という言葉の中には、さまざまな思いがある
例えば、
「家族に迷惑をかけたくない。」
「若い人のようにはできない。」
「期待されるとつらい。」
「また失敗したくない。」
「頑張っても報われない気がする。」
「もう十分生きてきた。」
患者さんは、その思いを一つひとつ説明することはあまりありません。
それらをまとめて、
「もう年だから。」
という一言で表現していることがあります。

年齢ではなく、「諦め」を話しているのかもしれない
80歳でも、
「まだ畑に出たい。」
という人がいます。
一方で、
70歳でも、
「もう何もできない。」
と話す人もいます。
違うのは年齢ではありません。
その人が、これまでどんな人生を歩み、今どんな思いでいるのかです。
「もう年だから。」
という言葉は、
年齢の説明ではなく、
自分に言い聞かせている言葉なのかもしれません。
セラピストならどう関わるか
「もう年だから。」
そう言われたとき、
私は、
「何歳だからですか?」
とは聞きません。
代わりに、
「もし年齢を気にしなくていいとしたら、何をしてみたいですか?」
と聞いてみます。
すると、
「本当は庭を歩きたい。」
「孫と散歩したい。」
「自分でトイレに行きたい。」
そんな願いを話してくださることがあります。
「もう年だから。」
という言葉の奥には、
「本当はやりたい。」
という気持ちが隠れていることが少なくありません。
もちろん、すべての患者さんがそうとは限りません。
本当に「今の生活で十分」と考えている方もいます。
だからこそ大切なのは、「もう年だから」という言葉を、そのまま受け取るのではなく、その人にとってその言葉がどんな意味を持っているのかを確かめることなのだと思います。

おわりに
「もう年だから。」
その言葉を、
年齢の問題だけで終わらせない。
その人は、
何を諦めようとしているのでしょうか。
何を守ろうとしているのでしょうか。
そして、本当は何を望んでいるのでしょうか。
その背景を知ろうとすることが、
その人らしいリハビリにつながります。
患者さんの言葉は、ゴールではありません。
その人を理解するための入り口なのだと思います。

例えば、
「そんなことありませんよ。」
という言葉は、私たちの善意から出ています。
でも、ときには患者さんが積み重ねてきた人生や、感じている現実を軽く扱われたように受け止められることもあります。(『若造が知ったふうな事言うな!』って気持ち良くわかります!!)
だから大切なのは、すぐに励ますことではなく、
「そう思われるのには、何か理由があるのですね。」
と、その言葉の背景に耳を傾けること。
これが大切です。
ありがとうございました。
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