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腹部フィジカル 第3回
離床を止めるべきか?PTのための「内科的リスク判断」入門
「今日は離床していいのか?」
リハビリの現場で、毎日のように直面する問いです。
バイタルはそこまで悪くない。
でも、どこかいつもと違う。
そんなとき、
続けるか、止めるかの判断に迷うことはないでしょうか。
今回は、理学療法士が持っておきたい内科的リスクを見抜く視点を整理します。
■ 大前提:PTの役割は「診断」ではない
まず大事なのはここです。
PTは診断する必要はない
その代わりに求められるのは、
“危ない変化に気づくこと”
です。

■ 判断の軸はこの2つだけ
難しく考えなくて大丈夫です。
① いつもと違うか
② 動かすと悪くなるか
この2つが全てです。
■ 「いつもと違う」をどう捉えるか
例えばこんな変化です。
- 反応が鈍い
- 元気がない
- 表情が暗い
- 会話が少ない
- 動き出しが悪い

数値に出ない変化ほど重要です
■ 「動かすと悪くなる」の具体例
- 動くと息苦しさが強くなる
- 動作中に痛みが増す
- 顔色が悪くなる
- 冷汗が出る
“運動で悪化”は、明確な危険サインです!

■ 見逃したくない身体サイン
ここはセットで覚えておくと便利です。
▶ 呼吸
- 息切れが強い
- 呼吸が浅い・速い

▶ 循環
- 脈が速い・弱い
- めまい
- 冷汗


▶ 腹部(ここが今回のポイント)
- 腹壁が硬い
- 腹痛がある
- 吐き気

腹部サインは“見れば拾える”情報です
■ 中止を考えるべきサイン
以下があれば、無理はしません。
- 明らかにいつもと違う
- 動かすと症状が悪化
- 複数の異常が重なる
1つでも違和感があれば立ち止まる

■ 続行できるケース
慎重にですが、
- 軽度の違和感のみ
- 動いても悪化しない
- 表情や反応が保たれている
この場合は
負荷を落として実施が可能です。

■ よくある落とし穴
❌ 数値だけで判断する
→ バイタルが正常でも危険なことはある
❌ 「指示が出ているから」と続ける
→ 状態は日々変わる
❌ 違和感を言語化できないまま流す
→ それが一番危ない
■ PTが持つべきスタンス
大事なのはこの一つです。
「安全側に倒す」
迷ったら、やめる。
それで問題になることはほとんどありません。
■ まとめ
離床判断で見るべきは
- いつもと違うか
- 動かして悪くなるか
この2つだけです。
そして、
違和感を見逃さないこと
それが、患者さんを守る力になります。
■ おわりに
リハビリは「動かすこと」が仕事ですが、
同じくらい大切なのが「止める判断」です。
その判断は、特別な知識ではなく
日々の小さな気づきの積み重ねで支えられています。
「なんとなく変」
その感覚を、ぜひ大切にしてください。

ありがとうございました。
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