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腹部フィジカル第2回
腹痛を訴えたとき、PTは何を見る?
〜リハビリ中止を判断する視点〜
リハビリ中、患者さんから
「ちょっとお腹が痛いんです」と言われたとき。
そのまま続けるか、止めるか。
迷う場面は少なくありません。

今回は、理学療法士が押さえておきたい、腹痛時の“見るポイント”と判断の考え方を整理します。
■ まず考えるべきこと
腹痛は軽いものから危険なものまで幅があります。
重要なのは
👉 「動かしていい腹痛か?」を見極めること
です。
■ PTがまず確認する3つ
① 痛みの性質
- 鈍い痛み → 比較的軽症のことが多い
- 鋭い痛み → 注意が必要
- 動くと強くなる → 要警戒
👉 “動きと連動するか”は重要なヒントです。

② 痛みの部位
- 全体的にぼんやり → 軽症のことが多い
- 一点を指せる → 要注意

特に
- 右下腹部(虫垂炎など)
- 上腹部(胃・胆嚢など)
👉 局在がはっきりしている痛みは見逃さない
③ お腹の状態(ここが重要)
軽く触れて確認します。
- 柔らかい(腹壁ソフト) → 比較的安心
- 硬い(板のよう) → 危険サインの可能性
ここが判断の分かれ道になります

■ リハビリを止めるべきサイン

以下があれば、原則中止+報告です。
- お腹が硬い(筋性防御)
- 痛みが強くなっている
- 動くと明らかに悪化
- 顔色不良・冷汗
- 吐き気・嘔吐
「いつもと違う」は立派な中止理由です
■ 続行できる可能性があるケース
慎重に見ながらですが、
- 軽い鈍痛
- 腹壁ソフト
- 動作で悪化しない
このような場合は、
負荷を調整しながら実施も検討できます。
■ 臨床でよくある場面
● ケース①:食後の腹部不快感
→ 軽めに様子を見る、無理はしない
● ケース②:便秘気味の腹部違和感
→ 軽運動はむしろ有効な場合もある
● ケース③:急な強い腹痛
→ 即中止+報告
■ PTが持っておきたい視点
腹痛対応で大事なのは、
“診断することではなく、見逃さないこと”
です。

■ まとめ
腹痛を訴えたときは
- 痛みの性質
- 痛みの場所
- 腹部の硬さ
この3つを見るだけでOKです。
そして、
👉 「いつもと違う」と感じたら止める勇気
これが一番大切です。
■ おわりに
リハビリは「動かす仕事」ですが、
同時に「止める判断をする仕事」でもあります。
その判断を支えるのが、こうした小さな身体所見です。
腹痛を“ただの訴え”で終わらせず、
リスクを見抜くきっかけにする
そんな視点を持っておきたいところです。
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