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めまい(前庭)のリハビリ⑦
なぜ「慣れる」人と「慣れにくい」人がいるの?― 前庭代償を進める4つのコツ ―
ここまでの記事で、
前庭障害では、
脳が前庭代償という働きによって新しい身体に適応していくことを説明してきました。
では、すべての人が同じように「慣れる」のでしょうか。
実はそうではありません。
同じ病気でも、
数週間で日常生活へ戻る方もいれば、
何か月経ってもめまいが続く方もいます。
その違いは、
障害の程度だけではありません。
脳が学習しやすい環境を作れているかどうかも、大きく関係しています。
今回は、前庭代償を進めるための4つのポイントを紹介します。
① 少しずつ動くことが大切
めまいがあると、
どうしても動くのが怖くなります。
「動くとめまいが出るから。」
「また気持ち悪くなるかもしれない。」
そう思うのは、ごく自然なことです。
しかし、
前庭代償は、脳が経験から学ぶ仕組みです。
頭を動かしたり、
歩いたり、
景色を見たりする経験を繰り返すことで、
脳は
「この動きは危険ではない。」
と学習していきます。
もちろん、
無理をする必要はありません。
大切なのは、
少し症状が出る程度の刺激を、安全な範囲で繰り返すことです。

② 頑張り過ぎも逆効果
一方で、
「たくさん動けば、その分早く治る。」
というわけでもありません。
めまいが強くなるまで頑張ると、
脳は疲れ切ってしまいます。
以前の記事でも紹介したように、
前庭障害では、脳は普段より多くの情報を処理しています。
そのため、
疲労がたまると、
前庭代償もうまく進みにくくなります。
リハビリは、
頑張ることよりも、
続けることが大切です。

③ 毎日少しずつ続ける
脳の学習は、
一度にまとめて行われるものではありません。
楽器の練習や、
自転車の練習と同じように、
毎日少しずつ繰り返すことで、
少しずつ身についていきます。
例えば、
1日30分だけ頑張るより、
5分を数回続ける方が、
脳にとっては学習しやすいことがあります。
前庭リハビリも同じです。
毎日の積み重ねが、
少しずつ脳を書き換えていきます。

④ 「不安」も前庭代償に影響します
最後に、とても大切なことがあります。
それは、
不安です。
めまいは、
「また起こるかもしれない。」
という恐怖を感じやすい症状です。
その結果、
頭を動かさなくなったり、
外出を避けたり、
人混みを避けたりするようになることがあります。
もちろん、
無理に外出する必要はありません。
しかし、
必要以上に避け続けると、
脳は新しい経験を積むことができません。
すると、
前庭代償も進みにくくなります。
だからこそ、
安心できる環境で、
少しずつ行動範囲を広げていくことが大切なのです。

おわりに
「慣れる」とは、
時間が経てば自然に起こるものではありません。
脳は、
動き、
経験し、
休み、
また学ぶ。
その繰り返しの中で、
少しずつ新しい身体に適応していきます。
だからこそ、
大切なのは、
無理をすることではなく、続けること。
そして、
怖がらないことではなく、安全な範囲で少しずつ経験を積むこと。
前庭代償は、一歩ずつ進む脳の学習です。
焦る必要はありません。
昨日より少しだけ歩けた。
今日は昨日より景色が安定して見えた。
そんな小さな変化の積み重ねが、
やがて大きな回復につながっていくのです。

‥なんてかっこいいことを言ってても、実際にやるのは難しいことは当事者である私がよく知っています。
では、またの機会に!
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