退院後、初めての診察。医師に何を伝えればいい?

退院後、初めての診察。医師に何を伝えればいい?

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退院後、初めての診察。医師に何を伝えればいい?

退院して、ようやく自宅での生活が始まった。

そして迎える、退院後初めての外来診察。

「先生に何を話せばいいんだろう?」

そんなふうに迷う人は、案外多いのではないでしょうか。

入院中なら、医師や看護師が毎日の様子を見ています。しかし退院すると、医師には患者さんの日常生活が見えません。

だからこそ退院後の診察では、

「家に帰ってから、実際にどうだったのか」

を伝えることが、とても大切になります。

とはいえ、診察時間は限られています。

そこで今回は、退院後の診察で医師に伝えておきたいことを整理してみます。

 

① まず「全体としてどうだったか」を伝える

診察室に入って、

「その後、どうですか?」

と聞かれることがあります。

簡単そうで、実はかなり難しい質問です。

何から話せばいいのか分からなくなってしまいます。

そんなときは、まず結論から伝えてみましょう。

たとえば、

「大きな体調の変化はありません」

「退院してから、少しずつ動けるようになっています」

「家に帰ってみると、思っていた以上に疲れます」

このくらいで十分です。

最初に全体像を伝えてから、具体的な話に入ると整理しやすくなります。

② 「退院したときと比べて何が変わったか」

医師が知りたいことの一つが、症状の変化です。

たとえば、

  • 痛み
  • めまい・ふらつき
  • しびれ
  • 手足の動かしにくさ
  • 頭痛
  • 息苦しさ
  • 動悸
  • 聞こえ方の変化
  • 見え方の変化
  • 言葉の出にくさ
  • 飲み込みにくさ

などです。

特に重要なのは、

「ある・ない」だけではなく、「以前と比べてどうなのか」

ということです。

「退院したころより減っている」

「今までなかった症状が出てきた」

「以前からあったけれど強くなった」

これだけでも医師に伝わる情報量は大きく変わります。

新しい症状については、

いつから・どんなときに・どのくらい続くのか

も簡単にメモしておくとよいでしょう。

 

③ 家で生活して初めて分かったことを伝える

これは、とても大切です。

病院の中でできることと、自宅でできることは必ずしも同じではありません。

病院では歩けていても、

「スーパーまで歩いたら、とても疲れた」

ということがあります。

病院では問題なくても、

「暗い場所では歩きにくかった」

「お風呂に入るのが思ったより大変だった」

「階段が怖かった」

「人混みに行くと疲れてしまった」

ということもあります。

こうした話は決して雑談ではありません。

実際の生活の中で身体がどの程度機能しているのかを知るための、大切な医療情報です。

「歩けます」だけではなく、

「近所を10分くらいなら歩けます」

「買い物に行くと、その後かなり休みたくなります」

など、生活場面で説明すると伝わりやすくなります。

④ 転倒や「ヒヤッとしたこと」も伝える

実際に転んだ場合はもちろんですが、

転ばなかったから問題なし、とは限りません。

「立ち上がったときにふらついた」

「壁につかまったことがあった」

「階段で怖いと思った」

「夜、トイレに行くときに不安定だった」

こうした出来事も伝えておきましょう。

「転倒0回」だけでは見えてこない危険があります。

⑤ 食事・睡眠・体重・排泄・疲れなど

病気そのものの症状だけでなく、生活全体の状態も大切です。

たとえば、

「食欲はあります」

「体重が2kg減りました」

「夜は眠れています」

「昼間に強い疲労があります」

「便秘が続いています」

などです。

特に退院直後は、病院から自宅へ環境が大きく変わります。

身体だけでなく、生活そのものがうまく回っているか

これも医療者が知りたい情報です。

⑥ 薬は「飲んでいるか」だけではない

退院後は、自分で薬を管理することになります。

医師には、

「指示どおり飲めているか」

だけでなく、

「飲み忘れがあった」

「飲み始めてから気になる症状がある」

「薬が多くて管理が難しい」

といったことも伝えて構いません。

お薬手帳があれば持参しましょう。

「怒られるかもしれない」と思って飲み忘れを隠すよりも、正確に伝えた方が今後の対策を考えやすくなります。

⑦ 血圧などは記録して持っていく

血圧、脈拍、体重、血糖値など、自宅で測定するよう指示されているものがあれば記録しておきます。

ただし、診察室ですべての数字を読み上げる必要はありません。

記録を見せながら、

「だいたいこの範囲です」

「この日だけ高くなりました」

「朝と夜でかなり違います」

など、いつもと違うところを伝えると分かりやすくなります。

 

⑧ 「これからどうしたらいい?」も立派な診察内容

診察というと、症状を報告する場所だと思いがちです。

でも、それだけではありません。

「運動はどこまでしていいですか?」

「仕事への復帰はどう考えればいいですか?」

「車の運転は大丈夫ですか?」

「旅行してもいいですか?」

「生活で避けた方がいいことはありますか?」

「この症状は別の診療科にも相談した方がいいですか?」

こうしたこれからの生活についての質問も重要です。

退院後は、治療を受ける生活から、自分で生活を組み立てていく段階へ移っていきます。

だからこそ、「何をしてはいけないか」だけでなく、

「これから何をしてよいのか」

も確認しておきたいところです。

診察前に「A4一枚」にまとめてみよう

たくさん伝えようとすると、かえって混乱してしまいます。

そこでおすすめなのが、診察前にA4用紙一枚程度にまとめておく方法です。

書く内容はシンプルで構いません。

退院後の診察メモ

① 全体的な体調
良くなった・変わらない・悪くなった
② 退院後に変わった症状
新しく出た症状、改善した症状、悪化した症状
③ 家で困っていること
歩行、入浴、食事、外出、家事、仕事など
④ 転倒・ヒヤリとしたこと
転倒だけでなく、ふらつきなども
⑤ 食事・睡眠・体重・排泄・疲労
⑥ 薬
飲み忘れ、副作用と思われる症状、管理上の問題
⑦ 自宅で測ったデータ
血圧、脈拍、体重、血糖値など
⑧ 今日、先生に聞きたいこと

特に最後の項目は重要です。

質問が10個あったとしても、

「今日、これだけは聞きたい」

というものを2〜3個選び、一番上に書いておくとよいでしょう。

「何も変わりありません」だけでは、少しもったいない

診察室では、つい、

「特に変わりありません」

と言ってしまうことがあります。

もちろん、本当に変化がなければそれで構いません。

ただ、病院を退院して実際の生活に戻ってみると、いろいろなことが見えてきます。

歩けるけれど疲れる。

食事はできるけれど準備が大変。

転んではいないけれど、何度か危ないと思った。

眠れているけれど、昼間の疲労が強い。

こうした小さな情報の中に、今後の治療や生活を考えるためのヒントがあります。

医師が見ているのは、検査結果だけではありません。

そして患者さんが医師に伝えるべきなのも、病気の症状だけではありません。

「退院して、私は実際にこんな生活をしています」

それを伝えることも、大切な診察の一部なのだと思います。

診察は、医師から一方的に評価を受ける時間ではありません。

限られた時間ではありますが、患者さんが自分の身体と生活について情報を持ち寄り、医師と一緒にこれからを考える時間でもあります。

だから、全部を上手に話そうとしなくても大丈夫。

まずは、

「変わったこと」
「困っていること」
「今日聞きたいこと」

この3つだけでも、診察前に書き出してみてはいかがでしょうか。

 

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