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シリーズ作業を考える 第4回
リハビリで筋トレより大切なもの
― 「できる体」と「使う生活」は違う ―
リハビリの現場では、日々さまざまな訓練が行われています。例えば・・
- 筋力トレーニング
- 関節可動域訓練
- バランス練習
- 歩行練習


どれも大切なものです。
そして確かに、それらによって身体機能は改善します。
しかし時々、こんな場面に出会います。
筋力はついた。
歩けるようにもなった。
それなのに――
生活が変わらない。
リハビリテーションあるあるですね。
◼️「できる」と「している」は違う
もちろんリハビリの中で「できるようになる」ことは重要です。
- 立てる
- 歩ける
- 手が動く
しかし、それだけでは不十分なことがあります。
なぜなら
できることと、実際にしていることは違うからです。
例えば
歩行練習ではしっかり歩けるのに、
病棟ではほとんど歩かない患者さんがいます。

手の機能は回復しているのに、
食事や更衣は介助のままの方もいます。
この差はどこから生まれるのでしょうか。

◼️ 身体機能だけでは生活は変わらない
リハビリは、つい身体機能に注目しがちです。養成校でも解剖学や運動学をまず習いますから。
- 筋力がどれくらいあるか
- 可動域はどの程度か
- バランスは安定しているか
しかし生活を変えるのは、
身体機能そのものではありません。
生活を変えるのは、その人が実際に行う作業です。
例えば
- 洗濯物を干す
- 食事を準備する
- 外に出て買い物をする
- 誰かと会う
こうした作業が生活を動かします。
◼️ 作業は自然に体を使わせる
興味深いのは、作業の中では自然に体を使うということです。
例えば
「腕を上げる訓練」は続かなくても、
「洗濯物を干す動作」は続くことがあります。
なぜならそこには
- 目的がある
- 意味がある
- 生活につながっている
からです。

人は意味のあることには取り組めますが、
意味のない運動は続きません。(これは真理です!)
◼️ 筋トレが悪いわけではない
ここで誤解してはいけないのは、
筋トレが不要だという話ではありません。
筋力や可動域は、確かに重要です。
ただしそれは “手段であって目的ではない“ ということです。
筋力があることと、
生活ができることは別の問題です。
◼️「使う場面」を作れているか
リハビリで本当に重要なのは、
その能力を使う場面があるかどうか
です。
例えば
歩けるようになったとしても
- 行きたい場所がない
- 外出の習慣がない
- 一緒に行く人がいない
と、歩く機会は生まれません。
逆に
- 散歩に行く習慣がある
- 買い物に行く必要がある
- 誰かに会いに行く目的がある
と、人は自然に歩きます。
つまり
“生活の中に作業があるかどうか“
が重要なのです。

◼️ リハビリが目指すもの
リハビリの本来の目的は、「できる体」を作ることではありません。
その先にある
「使う生活」を取り戻すこと
です。
例えば
- 筋力をつける → 買い物に行く
- バランスを改善する → 散歩を楽しむ
- 手の機能を回復する → 料理を再開する
このつながりがあって、初めて意味が生まれます。

◼️ PTとOTの境界にあるもの
このテーマは、PTとOTの役割にも関係します。
PTは身体機能を整えることが得意です。
OTは生活の中での作業を見ることが得意です。
しかし本来は、
この2つは分かれるものではありません。
身体機能は作業のためにあり、作業は生活のためにあります。
つまり
すべては生活につながっているのです。

◼️ おわりに
筋トレは大切です。
しかしそれだけでは、人の生活は変わりません。
本当に大切なのは、
その体を使って何をするのか
です。
リハビリとは、
“身体を鍛えることではなく、その人の生活を動かすこと“
なのかもしれません。
多分、これは本質です!
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。
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