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こんなことを言うと、年配者がまたお説教をしてるって捉えられそうですが、いいんです。
今日はそんな話をします。
僕が歳をとったせいか、最近のバックパッカーについての話を耳にする度、複雑な思いに駆られます。
羨ましいような、ちょっと寂しいような、ある意味残念なような…そんな気持ちです。
もちろん時代が違うのだから、そもそも比べるのが間違いというのはわかります。
その時代時代にあった旅の仕方もあるはずですし、その中で楽しめば良いのでしょう。
でも経験を積んだおじさんとしては、少し言いたくもなるのです。
■情報が溢れていること。
僕がバックパッカーをしていた30年前は、バックパッカー用の情報といえば「地球の歩き方」でした。
まぁそれだけあれば十分とはいえますが、今のような充実ぶりはなく、代表的な国に限られていました。
チベットとか秘境と言われるところを含めて、全てを網羅してはいませんでした。
少しマイナーなところに足を踏み入れたければ、「lonely planet」という洋書を旅先で買うなどして情報を得ていました。
この本の良いところは、英語圏のみならず世界中のバックパッカーの多くが利用していたことです。
陸路の国境付近では、このガイドブックの物々交換が盛んに行われていました。
例えばインドからバングラデシュの国境では、お互いこれから訪れる国のガイドブックを交換していました。
インドのガイドブックはバングラデシュの3倍くらいの厚みがあって、交換にはちょっと不平等感はありましたけどね。
また安宿のドミトリーでは、毎夜情報交換がなされていました。
そこの国境は陸路だと入国審査が厳しいから、空路の方が良いだとか、
今チベットは治安が悪くなっているからやめたほうがいい…とか。
実際にその場所から訪れた旅人の情報は新鮮です。
しかし今はTwitterなど、ある意味新鮮な「生」の情報があふれています。
情報さえ欲しいのであれば、それでいいわけです。別に旅行者と話さなくてもいいのです。
書いていて、何だかな〜と思います。
旅の醍醐味をみすみす捨てているように見えるのですね、おじさんからすれば。
■旅をしながら発信できる。
旅の記録を書いて発信、コメントをもらい、更に発信。羨ましいです。
僕が旅をしていた時代は、パソコンもスマホもありませんでした。
たくさん撮った写真も日記も、公開できる機会はありませんでした。
余程の強者は旅行記を出版社に売り込みに行ったり、ある人は自費出版という形で記録を残そうと試みました。
僕もそんな旅行記を買ったことはありました。
僕も例外ではなく、日記をつけていましたが、どこにも公開させることなく、結局破棄してしまいました。
普通の旅行者が簡単に発信できる今のような時代は、羨ましく感じますね。
ただ、人の目に晒されるということを前提にした日記は、ちょっとまた形が異なります。
人の目を意識した文章の是非はあるでしょうね。
誰に対して書くのではなく、その時々に感じた自分の内面のことなどを記しておくことは、それはそれで貴重な経験だと思います。
■高価なIT機器を持ち歩くことのデメリット
世界中の美しい土地の写真や動画を撮って公開したりできることは、羨ましいと思います。
帰国してからも、自分が体験したことを臨場感を持って再体験できるところも良いなぁと思います。
ですが、それらを可能とするカメラやパソコンなどのIT機器は、かなり高価です。
治安の良し悪しに関わらず、盗難には常に注意をしなければなりません。
そんなことに気を遣いながらの旅はしんどいだろうなとも思ってしまします。
ガンジス川に飛び込みたい衝動に突き動かされ、ドブンと飛びこむこと、二等寝台列車で他の人に揉まれながら眠ること… そんなことができなくなります。
そういうことが、旅の醍醐味だと思うんですがね。
もちろんIT機器を持っていなくても、パスポートやお金を持って旅するわけなので、全く無防備というわけにはいきませんが、
ものを持てば持つほど、旅人は不自由になっていくと思うのです。
■言葉について
これもITの進化によって生まれた問題(朗報?)ですが、言葉ができなくてもスマホの通訳アプリで簡単にコミュニケーションできてしまいます。
このことは外国語が苦手な人の外国へのハードルを下げることに役立ったことでしょう。
でも、ここでもおじさんは思うのです。
異国の言葉を覚えたり、カタコトの言葉やジェスチャーを織り交ぜてコミュニケーションをとるという楽しみを、自ずと放棄してるのではないかと。
買い物をするといった場面でも、スマホを取り出してやりとりをする味気なさはどうなのだろうかと心配してしまうのです。
以上思いつくまま書いてみました。ただ昔を懐かしんでいる50オヤジの感想ですね。
その時代、時代の楽しみ方があり、決して比べるものではないことも分かっていながら、ついつい書いてしまいました。
僕も定年したら、若者に揉まれながら再びバックパッカーに戻れたらな〜と思っています。
そんな日を夢見て、日々の仕事をとりあえず頑張ります。
まとまりのない文章を読んでいただき、ありがとうございました。
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