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腹臥位保持装置とは
腹臥位保持装置は、小児のリハビリテーションにおいて、脳性麻痺など障害を持つ子供たちの治療や発達を促進するために使用される装置です。
僕が以前勤めていた病院では、廃棄処分になったベッドマットを電動ノコギリ(電動のパン切りナイフ)と接着剤で加工して腹臥位装置を作ったものです。
その作業自体は楽しかったのですが、やはり専門の業者にはかなわない。
最近はいろいろな業者が販売しているので、患者さんの目的に沿ったものを依頼(または購入)してくださいね。
腹臥位保持装置の効果について(メリット)
たくさんのメリットがあります。以下に簡単に挙げてみますね。
・呼吸機能の改善:
抹消気道に貯留している痰などの分泌物が重力の影響で排出されます。その結果、肺胞換気が改善して、酸素化が改善します。
・発達の促進:
子どもの発達過程に腹臥位になることは非常に重要です。通常であれば寝返り〜頭を持ち上げて両肘立て位〜四つ這いの過程を通過しますが、外部の力を借りてそのような姿勢をとることが大切です。
・筋力の向上
うつ伏せは仰向けとは重力のかかり方も異なります。背中や頚部(後面)の筋活動は活発になります。それにより姿勢制御能力が向上します。
また、下肢の筋力強化にも役立ちます。
・姿勢の安定
前の項目につながりますが、体幹、下肢の筋力が向上し、姿勢保持能力が向上します。
特に麻痺が重度なお子さんは、どうしても1つの姿勢(背臥位)を取りがちになります。姿勢のバリエーションが1つ増えることは身体的、精神的にも良い効果をもたらします。
・遊びを含めた日常生活動作の向上
これ大事。装置の調整が必要により、両手を使った遊びが可能になることもあります。
腹臥位保持装置のデメリット
腹臥位装置に乗せる時に、注意が必要です。ラインやチューブの抜去はよく起こるインシデントです。
行うときは1人でやらず、複数のスタッフで行うようにしましょう。
また、体位変換に伴いう血圧の変動や血行障害が起こる可能性があります。
頚部の圧迫による窒息に注意しましょう。施行時はパルスオキシメーターが必須です。
腹臥位保持装置のイラスト
オーダーや既製品がありますが、どしても成長に伴ってクッションを使うなどの微調整が必要になります。
色違いも載せておきますね。
ありがとうございました。
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