〈スポンサーリンク〉
浮腫とは
浮腫とは、体液の一部(組織間液)が過剰に増加した状態です。
浮腫全てが病的というわけではなく、健康な人でもよくみられる症状です。
浮腫の発生部位
浮腫は大きく分けて、全身性浮腫と局所性浮腫があります。
全身性浮腫:
全身に及ぶ浮腫です。眼瞼、顔面、下肢(特に下腿や足背)などに多く見られます。
・心性(うっ血性心不全)
・腎性(糸球体腎炎、ネフローゼ症候群、腎不全)
・肝性(肝硬変など)
・内分泌性(甲状腺機能低下症、クッシング症候群など)
・栄養障害性
・薬剤性
局所性浮腫:
抹消血管の異常による浮腫です。
・静脈性(静脈血栓症、上、下静脈症候群、静脈瘤など)
※腸骨、大腿静脈→下肢全体に浮腫が出現
※膝窩静脈 →下腿と足部に浮腫が出現
・リンパ性(乳がん、婦人科の術後、フィラリア症、先天性など)
・血管神経性(アレルギーなどのクインケ浮腫)
・炎症性
※イラストは左下肢の浮腫(左下肢に多い傾向がある)
その理由はこちらを参照(→DVTが左下肢に多い理由)
浮腫の分類
圧痕性浮腫
水分のみが組織の間質に貯留しているため、圧痕が残ります。
圧痕性浮腫は、次の2つに分けれます。(いずれも10秒間皮膚を押した後の変化)
・fast edema (圧痕の戻りが40秒以内)
・slow edema (圧痕の戻りが40秒以上)
※戻らない場合はslow edema 心不全による静脈圧上昇と考えられます。
非圧痕性浮腫
水分に加え、血漿由来の成分(タンパク質、電解質など)の蓄積や、炎症細胞の浸潤のために、指で圧迫しても圧痕が残らない。(速やかに元に戻る)
浮腫のアセメントスケール
浮腫は触診により次に4つに分類されます。スタッフ間の共通言語として用いることができますね。
1+(圧痕)・・・2㎜
2+(軽度)・ 4㎜
3+(中等)・ 6㎜
4+(重度)・・ 8㎜
2+になると明らかに圧痕が生じ、3+では静脈や骨が不明瞭になります。
基礎的な内容でしたが、参考になりましたでしょうか?
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
〈スポンサーリンク〉