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以下は僕が学生だった時にした体験を記したものです。お暇な時にお読みください。
旅行していると、毎日が非日常であり、常に新しいことやものが目の前に現れます。
普段興味がないもの、ないと思っていたものに突然ハマることがあります。
僕の場合は宝石でした。
タイとカンボジアの国境近くに行った時のことです。チャンタブリという人口が3万くらいの小さな町にふらりと訪れました。
チャンタブリはタイの南東部は昔からルビーとサファイアの古い採鉱地として有名であり、最近は掘り尽くしたと言われているものの、その後も世界中から宝石が流通しているようでした。
僕がその場所を訪れた時も、インド人や中国人、中東のどこかの国から来たとか思われる人で賑わっていました。
言葉で交渉をやるというより、宝石をルーペで覗きながら、電卓を叩くという静かなやりとりをしていました。
まあ素人の旅人など、場違いな感じでしたので、遠目で見ながら雰囲気を愉しみました。
でもさすが世界的に有名なところですから、日本人のカモを見逃すはずもありません。
客引きのような若者が「せっかく来たんだから、彼女に1つ買っていきな」と言い寄ってきました。
初めは断っていたものの、あまりにしつこいカタコト日本語の「ミルダケナラタダ」攻撃に、
「確かに見るだけならタダだし。思い出にもなるかな」と思い直し、ある1軒のお店に入りました。
さらに「これは昨日入手した赤いサファイア。なかなか無いよ。」と言ってきます。
薄暗い店内のランプに照らされた宝石は美しく、本物か偽物かの区別もできません。
そもそも初めから全く分からないのですから、仕方ありません。
これがルビーだよって言われても、疑う知識もありませんでしたから。
しばらく見せてもらっていると、「じゃあ、これは?これは?」と攻勢が激しくなってきました。
(あなたのためにこれだけのことをやっているんだよ)という圧とアピールの前に、申し訳ないような気持ちも湧いてきます。
安い宝石でも買ってあげないと悪いようなそんな気持ちにもなってきます。
まあ僕はそこまでお人好しでもないので、何とか理由をつけて退散しましたが。
こんなやりとりを繰り返していたら、なんとなく宝石の見方もわかってきます。
いやいや、わかってくるというか、分からないことがわかってきます。
色や光の屈折率、透明度などなど、説明されても分かりません。
普通に考えて、素人がたかだか1週間の滞在でわかるわけもないのですが、
お高い宝石は偽物も精巧にできていますから、その道のプロでさえ間違えることがえるレベルです。
ルビーやサファイアなどは素人が手を出してはいけない石なんですよね。
ちなみに偽物、人工生産物には次のようなものがあります。
合成石(天然宝石と同じ成分、同じ構造で人が作ったもの)、
人造石(天然には該当するものがない、化学式表記可 キュービックジルコニア)
模造石(ガラス、プラスチック、セラミックス等)
ガラスをダイヤモンドカットしたものも見せてもらったことがありますが、本物と区別できません。
美しい輝きの前に、ダイヤモンドと言われれば、そーかなあと思ってしまうレベルです。
話はもどります。
結局、僕が買ったのはキャッツアイとムーンストーンという安くて間違いようのない石でした(この石で偽物を作ったら、その方が高くつきそう)。
もう既に加工したものだったので、バンコクに持ち帰って、指輪とネックレスにしてもらいました。
土台はシルバーにしましたが、それでも加工費用も含めて高い買い物になってしまいました。
でも、現地で石を探し、それでアクセサリーを作るという一連の過程はワクワクするような体験でした。
なかなか普通の観光ではできないものですし。
だから、
「最初からバンコクのお店で買った方が安かったんじゃないの?」みたいな、
無粋なことは言わないでくださいね。
長文を読んでいただき、ありがとうございました。
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