高次脳機能障害の理解は難しいという考察

高次脳機能障害の理解は難しいという考察

 

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僕がセラピストとして仕事に携わっていた頃、患者さんから幾度と聞かされた言葉があります。

 

「これは、実際なってみないと、分からない!」

 

いざ自分が脳の障害を受けて、初めて分かりました。

もちろん当事者の中でも様々で、一様には言えないとは思いますが、この言葉に表せないモヤモヤした感じは、本当に「なってないと分からない」と言わざるを得ないのです。

この感じを明確に表す医学用語が見たらない。

 

それは、高次脳機能という障害像が捉えづらいことによることからくるのではないかと思います。

いくら医学が進んだ現在でも、脳自体の機能も完全に分かっているわけでしょうし。

 

現実は、いくつかの検査をして、どんな障害を存在しているかを判断するのでしょう。

 

例えば、高次脳機能障害とされているものは、次のようなものがあります。

・遂行機能障害

(自分で計画を立てて、手順や効率を考えて行うことが困難)

・注意障害

(集中することが困難になり、注意散漫になること)

・記憶障害

(受傷後に新しい情報やエピソードを覚えることがこんなること。)

・行動と感情の障害

(状況に適した行動が取れなくなり、また、感情のコントロールができなくなること)

・失語症

(言葉を理解を出来なくなったり、上手く話せなくなったりする障害です。)

・失認症

(見る、聞くことに問題がないのに、それが何かわからなくなる、認識の障害です。)

・半側空間無視

(自分の身体や自分の前の空間の半分における物事を無いものとしてしまう障害です。)

・病識欠落

(自分の障害を気がつかない障害です。)

などなど・・

 

そしてリハビリでは、それらの問題点を(一部)明らかにした上で、集中的に訓練をするのだと思います。

 

で、ここで気になることがあります。

セラピストはそれぞれの知識や経験に基づいて解釈するため、障害について全体を把握できていないのでないかということです。

これは脳自体がブラックボックスであるから、ある程度仕方のないことかもしれませんし、さほど勉強もしてこなかった僕がそれを言うことは最もおこがましいことですが、

以下に示すような問題点もあるのでないかと、ちょっと考えてました。(絵が稚拙なのはお許しください。)

 

 

例えばこんな感じに・・・

 

 

簡単に図を説明すると、3人のセラピストは検査や自分の経験から、その部分からそれぞれが独自に全体を捉えようとしているのではないかと。

まず障害にはさまざまな側面があると仮定して・・。

例えば、ピンク服の女性は障害のひだ一部分から全体がそのようになっていると解釈しています。

グリーンの服の女性は、同じように障害の一部分から全体を理解しようとし。

 

また、男性も同じように一部分から全体を解釈しようとする。

それぞれが間違っているわけでないにしろ、それぞれが異なった解釈をしてるのでないかと。

セラピストの経験も異なるし、知識の量も違うはずです。

 

怖いのは、その時に自分の知識の範囲で物事を当てはめること

特に高次脳障害は病気の状態やメカニズムを全て解明されていないし、理解されていない中で、セラピストは自分が分かっている範囲で物事を捉えようとしているように感じます。

だから、時に無理にそれに押し込める。

だからと言って、具体的に何ができるわけではないけれど。 

 

僕がかろうじて考えられる対策は、情報の共有ってことに尽きるかもしれません。

また、病気を分かった気にならないという謙虚な気持ちを医療者側が持つことなんだと思います。

 

これは上から目線で言っているわけではなくて、当事者として感じたことです。

間違ってたら、ごめんなさい。

 

※改めて言いますが、これは一般論です。今関わってくれているセラピストのことではありません。

個人を攻撃しているわけでは無いので、悪しからず。

 

ありがとうございました。

 

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