排痰の肢位(体位ドレナージ)をイラストでご紹介

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本日は排痰のための基本肢位について、イラストでご紹介します。

 

肺の解剖

まずはじめに前提として、肺はいくつかの区画(segmentという)に分かれています。

具体的には右側は3つに、そこから更に分かれて10区画に、

左側は大きく2つに、その後10区画に分かれています。

言葉だけでは分かりづらいので、図を参考にしてくださいね。

 

実際の排痰ですが、スクイージングのように介助者が肺をグイグイ圧迫して直ぐにできるわけではありません。

稀にそんなことができる人もいるのかもしれませんが、僕はそんな人を知りません。

そんな人が職場に12人いるよりは、スタッフ誰もが一定の水準のことができることが好ましいと思います。

まずは基本的な排痰肢位をしっかりとることが何より大切です。

 

体位ドレナージとは

肺は左右それぞれ10区画に分かれていますが、その区画のどこに痰の貯留があるかを確認した上で、その位置を上にした体位に変換します。

重力を利用するんですね。

その上で、深呼吸を促したり、スクイージングのような手技を加えると良いでしょう。

実際は気管支の方向も関わってくるので、もう少し複雑なのですが、今日のところは簡単に覚えてしまいましょう。

 

肺の部位と排痰肢位

これから肺の部位(segment)と排痰の肢位を紹介します。

この辺りに痰があれば、じゃあこの肢位を取ろうというように、覚えていただけたら幸いです。

以前はかなり厳密、かつアクロバティックなものも発表されたりしていましたが、

実際の臨床場面にそぐわないという理由で使われなくなり、現在のものに集約されています。

 

【背臥位】

S1S3S7、S8  に痰が貯留している場合、

【半側臥位】

S4、S5痰が貯留している場合、

 

【側臥位】

S9 に痰が貯留している場合。

一側の全杯野の無気肺にも有効。

【前傾側臥位・半腹臥位】

S2 、S6、S10に痰が貯留している場合。

【腹臥位】 

S6、S10 に痰が貯留している場合。

急性呼吸窮迫症候群などの下側肺障害に有効とされている。

 

おまけ。

今回は排痰の修正肢位をご紹しましたが、S1に痰の貯留があり、循環動態が安定している場合ヘッド・アップ位という選択も良いと思います。ご検討くださいませ。

【ヘッド・アップ位】

S1の場合。

人工呼吸器関連肺炎予防には、少なくとも30度以上のギャッジアップが必要と言われています。

頭部を上げる前に、下肢の部分をギャッジアップすると身体がずり落ちること防ぐことができます。

坐骨下に巻いたバスタオルを入れて、ずり落ち防止を予防することもあります。

 

以上、肺の部位と排痰肢位についてイラストでご紹介しました。

いかがでしたでしょうか。覚えられそうですか。

 

ありがとうございました。

 

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