訪れた国の数より、質が大切〜本当の国際化とは?

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パスポートにスタンプが押されることに喜びを感じていた頃

僕が海外をふらふらしてた頃、

パスポートに入国のスタンプやビザが押されることを、楽しみにしていました。

段々と余白が埋められていき、旅した国は二桁に。

余白が無くなると、大使館や領事館でページを追加してもらったりしたものです。

(今でもそういうシステムなのかな)

そのスタンプを見れば、旅の記憶が蘇ってきます。

どのような経路でその国に入国したか、陸路か、空路か…

イミグレーションで職員とやり合った思い出がひとつひとつ浮かんできます。

そんなこともあって、スタンプを集めることが趣味のようになっていました。

友人と旅行した国の数を競ったり‥といった、

今となってはバカなこともしていました。

 

訪れた国の数より、その内容が大事

若者がひとり旅をしていると、

いわゆる安宿、バックパッカーが泊まる宿を利用することが多くなりますが、

その際旅の予算の関係上、ドミトリーという一番安い相部屋を選択することが多くなります。

相部屋は、社交の場です。

旅した国の数を自慢したり、自分が旅した国がいかに素晴らしかったか、

またその逆にどんなに酷い国だったか等々、情報を共有し合う場所になります。

旅人のナマの体験談や最新の情報を聞くのは、非常に有意義です。

たくさんの国を旅している人はそれだけ経験も豊かです。

百戦錬磨のような旅人の話を、若い駆け出しの旅人は黙って聞くことになります。

一方、訪れた国の数は少ないけれど、

その国と深い関わりをしたのだろうと感じる旅人もいます。

居心地が良すぎて、その土地に長く滞在することバックパッカー内では「沈没」といったりしますが、

何を特別なことをせず、地元のひとたちとダラダラ過ごすだけのように見えても、

関係性をしっかり築いて、こっちが感心するような裏情報を持っていたりします。

そういう人からはその国の習慣など、

ガイドブックには書かれていない庶民の生活の話が聞けることも、少なからずあります。

たくさんの国を旅することが、必ずしも世界を理解することではないと思う瞬間です。

たくさんの国を訪れることも楽しいけれど、

国の数ではなく、どんな関わりを持ったかが大切だなぁと思います。

 

世界を股にかける旅人より、地元の人の方が国際的という皮肉

旅に関して、こんなエピソードもあります。

ネパールにトレッキングに行ったときの話。

ネパール第2の都市、ポカラから何日も歩かなければつかない村に、

家族8人くらいで暮らしていたある家族がいました。

少しトレッキングルートから離れた場所だったこともあって、

外国人をあまり見たこともなかったらしく、こっちをジロジロと見ています。

するとその中の長老とも思われる老人が手招きをして、家の方に来るように促してきました。

近づくと、ちょうどご飯ができたから、食ってけと言っているようでした。

その時はネパール語もあまりできなかったし、

ヒンディー語も通じないような感じだったので、

ジェスチャーを交えながら何とか交流らしきことをしました。

半ば想像ですが、その日はニワトリをシメたから、ご馳走だと言っているようでした。

家族8人に小さいニワトリ一羽。

そこに旅人が加われば、どう考えても足りるわけありません。

かなり躊躇しましたが、何度も勧められて結局、鶏肉入りのカレーをいただきました。

食べる最中もじっとこっちを見つめていて、

僕が「美味しい」と発すると、ようやく彼らは笑顔になり食べ始めました。

 

僕は、彼らのホスピタリティに感動しました。

長い間歩き疲れた姿を見て、気の毒に思ったのかもしれませんが、

何処の馬の骨かもわからない外国の旅人を、精一杯もてなしてくれるのです。

外国語も全く話せないこの人たちのことを思うと、

インターナショナルやユニバーサルという言葉の意味を再度考えてしまいます。

国際的ということ、世界を理解するということは、

決してたくさんの国を訪れることではなく、

また外国の言葉を喋れることでもありません。

さまざまな背景の人々を受け入れる心の広さのことを言うのでしょう。

小さい頃から英語を学び、大学で第2外国語を学び、海外旅行を簡単にできる日本人より、

辺境の地の(この言葉にも問題ありか)老人の方が国際的という、

何という皮肉。

恥ずかしくなりますね。

 

まとめ

まとめってほどではないのですが、

知らないことを求めて海外に行くことは非常に有意義ではあるけれど、

国内にいてもアンテナさえ張っていれば、それに劣らない体験ができると思います。

この前、ある居酒屋の店主がテレビで紹介されていました。

彼は一切外国に行った経験がなく、また外国語もカタコトでしたが、

海外から来た観光客と対等にやりとりをしていて、

コミュニケーションは言葉だけではないということを体現していました。

 

もちろんたくさんの国を訪れた方が、話のネタも豊富になるし、

「あの国はこうだった」とか「この国はこういうことがある」

なんてことが言えるでしょう。

でも、それは裏を返すと、

短い体験で偏見を持ちやすいと言えると思います。

例えば「インド人はカレーしか食べない」とか。

これは正解でもあり、間違いでもあります。

長期間インドに滞在した人はわかってくれますよね。

 

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