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僕は以前働いていた病院で、
ALSをはじめとする神経・筋疾患の患者さんのリハビリを担当する機会が多くありました。
ご存知の通り、神経・筋疾患の多くは進行性であって、
徐々に筋力が低下していき、日常生活を送る上で困難が生じます。
数ヶ月前にはできたことが今はできなくなったりと、
自分でできることが少しずつ減少していきます。
歩けなくなって車椅子生活になり、食事を取ることも困難になります。
そして呼吸することも難しくなります。
いわば喪失体験を繰り返し味わうことになるのです。
これに対し、リハビリとしては無力を感じることも多いのですが、
それでも出来る限り筋力を維持したり、関節が硬くなるのを防止したり、
自助具や福祉用具を提案したりして、
彼らが生活しやすい状態を保つお手伝いをします。
前置きが長くなりましたが、神経・筋疾患ほどスピードが速くはないものの、
全ての人間は機能低下を起こしていきます。
数年前はできたことが、今年はできなくなります。
定年になって時間ができたら〇〇をやろうといろいろ計画を立てたものの、
実際その歳になったら何もできなくなっていたなんて話も珍しくありません。
僕の場合も、いくつかの病気を体験し、様々な喪失体験をしました。
片側の耳が聞こえなくなり、音楽の楽しみは半減しました。
また内耳がやられてしまったため、バランス障害を起こし、
大好きだった山登りも止めることになりました。
(まあ、そもそもそんな高い山には登ってはいませんでしたが)
アキレス腱炎や膝を痛めたため、運動も制限付きとなってしまいました。
最近は目がショボショボして、長時間本を読むことができなくなりました。
絵を描くこともかなり疲れます。
歳を取るとはこういうことだと頭ではわかっていましたが、
実感すると恐怖さえ感じます。
「この先、どんどん衰える」
もし今、やりたいことがあるのであれば、すぐにでもやるべきです。
待っていても、出来る保証はありません。
「定年してお金と時間に余裕ができたらやろう」なんて考えていると、
身体がついていきません。
そう言って、結局やりたいことができなかった人を僕は何人も知っています。
若い人たちには繰り返し言って、迷惑がられていますが、言い続けます。
やりたいことがあれば、やる。
会いたい人がいれば、会う。
行きたいところがあれば、行く。
僕は、そのように行動したいと思います。
自戒を込めて書いてみました。
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