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以前にサンディングのイラストをご紹介しました(→こちら)。
新しいイラストを描いたので、今回はその第2弾としてお送りしますね。
サンディングとは
理学療法学辞典には、以下のように定義されています。
「サンドペーパー(紙やすり)を取り付けたブロックで木材の表面を磨く作業。作業療法の一つ。作業台に木材を乗せて、作業台の傾斜・ブロックの形状・重量負荷・摩擦抵抗などを調整し、筋や関節可動域のトレーニングに用いられる。」
この定義は、厳密なサンディングで、専用の器具を使ったものを想定しているようですね。
作業療法の一つって謳ってるし。
もっと一般的なサンディングは、作業療法に限定したものではないし、
ホームプログラムで用いられるものは、テーブルとタオルを使って行うものを指しているのだと思います。
広く使われたら、嬉しいですね。
サンディングの目的・効果
サンディングの目的は、一般的に関節肩関節の可動域の改善、筋力の増強です。
中枢疾患で麻痺が生じた患者さんの場合、運動機能の改善に用いられることもあります。
リーチ動作に近いし、実際の日常生活動作でも使うことの多い動作でもあるので、
汎用性は高そうですね。
そのほか、脊柱を屈曲させて行えば、脊柱の可動性改善にもなりますし、
脊柱を伸展させて、骨盤前傾を誘導すれば、股関節の屈曲可動域訓練にもなります。
やっぱり人間のからだって、つながっているから、
一か所を動かすことで、他の部位の練習にもなるんですね。
骨盤前傾の練習になれば、それが立ち上がりに練習にもつながっていけそうです。
立ち上がり練習をしていて、前方に体重移動をすることを怖がる場面ってあると思いますが、
これなら、視覚的にも安定しているので、不安にならずに重心移動の練習ができますね。
サンディングのやり方
以前に1回ご紹介しているので、繰り返しになりますが、
イラストは別角度で描き直しました。
テーブルまたは机を前に、椅子に座ります。
テーブルの上にタオルを置き、その上に両手を乗せます。
そのまま体幹を前傾しながら、両手を前方に滑らせます。
さらに前方に伸ばします。
肩関節の可動域拡大を目的とするなら、最大まで行います。
まあ、ここまでやれればいいですが‥。
以上が前方への方法ですが、
慣れてきたら、右斜め前、や左斜め前方向にも同様に動かしてみましょう。
サンディングの注意点
肘が曲がってしまうと、効果的に肩関節の可動域を広げることになりません。
肘を伸ばして行いましょう。
また肩の力を抜いて、ゆっくりと行うことも必要です。
目的に応じて、骨盤前傾を促したりすることも大切です。
以上、サンディングについて、イラストを交えてご紹介しました。
肩の運動だけではなく、様々な効果をもたらす、良い運動だと思います。
患者さんも、「今日も雑巾がけ~やったぁ」と自虐的にならず、
指導者の方も、効果を明確に伝えて意欲を高められたらいいですね。
お付き合い、ありがとうございました。
是非、役立てていただけたら幸いです。
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