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前回、人工股関節置換術(後方アプローチ)の禁忌肢位についてご説明しました(→こちら)。
今回はその第2弾です。
後方アプローチの禁忌肢位(おさらい)
前回もお話しした通り、脱臼は
股関節を曲げる動作(屈曲)、
内側に曲げる動作(内転)、
内側にひねる動作(内旋)の複合運動によって起きてしまいます。
注意して行いましょう。
後方アプローチの禁忌肢位の具体例〜やってはいけない動作
では、後方アプローチを施行された患者さんが行ってはいけない動作について、
ひとつひとつ説明していきますね。
【側臥位で上側の脚が内側に入ること】(❌)
横向きになった時、上側の脚が下がって内側に入る動作です。
つまり上側の股関節は、屈曲・内転・内旋となるからです。
横向きになる場合は、クッションなどで脚が内側に入らないような工夫が必要です。
【術側先行の寝返り】(❌)
寝返る際に術側の脚が先行すると、結果的に股関節が屈曲・内転・内旋となります。
術後直ぐでなければ、股関節に体重がかかるわけではないので脱臼のリスクは少ないですが、
術後3ヵ月くらいは意識して避けるようにしましょう。
【脚を組む動作】(❌)
手術した側の脚を組むことは、股関節を過剰に曲げることになります。
また良い方の脚を組んだとしても、下側の股関節は内側に動かすことになるので、
これも良くないですね。
【体育座り】(❌)
体育座りは、股関節を過剰に屈曲させることになります。
後方に手を着けは、股関節の屈曲角度は少し少なくなりますが、
まあ、無理してやることではないような気がします。
【低い椅子に座ること】(❌)
低い椅子に座ることは、股関節を過剰に屈曲させることにつながります。
例えばお風呂場の椅子は低いことが多いため、少し高めのものを購入する必要があります。
【しゃがみ込むこと】(❌)
手術した脚を前にだしてしゃがむことは、股関節を過剰に曲げることになります。
もし行うのであれば、手術した脚を後方に伸ばして、
良い方の脚に体重をかけるようにしましょう。
(手術した側の脚を後ろにするのであれば、OKです)
理解のポイント
禁忌肢位はたくさんあるので、
ただ機械的に覚えるのではなく、
その姿勢が股関節にどのような外力を加えることになるのかを考えることが大切ですね。
次回は禁忌肢位について、もう少し補足していきますね。
ありがとうございました。
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