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「呪いの言葉の解き方」とは
今年上半期に一番影響を受けた概念は「呪いの言葉」です。
これは上西充子さんの著書「呪いの言葉の解き方」に詳しく書かれています。
簡単に説明すると、呪いの言葉とは
「自分で口にしたり、繰り返し耳に入れたりすることで、知らず知らずのうちに思考の枠組みを縛っていく言葉」です。
「思考の枠組みが縛られる」とは、「あるモノサシでしか考えられなくなる」ということです。
わたしたちは生まれた時から、様々な呪いをかけられています。
既成概念を、それがさも正しい事柄であるように、刷り込まれているのです。
では代表的なものを、ご紹介していきたいと思います。
一度頭の中で反芻すると、本当にそうだろうかと、疑わずにはいられなくなります。
呪いの言葉の例
例えば、「母親なんだから」という言葉。
様々な母親像があってしかるべきなのに、ある一定の型にハメようとすることのなんと多いことか。
ある意味、押し付け。
母親は子どものためには自己犠牲も厭わないもの、という時代錯誤な美談でもあります。
「男らしく(または女らしく)」という呪い。
男は文句を言わずに耐えろ。男子たるもの、こうでなければならないという幻想。
気が遠くなりますね。いつの時代のことやら‥。
この他にも沢山あります。
「お局様」
(女性は結婚して寿退社をするもの。年をとった女性の職員は、古い価値観に囚われた遺物。)
「子供は少なくとも3人」
(子供を多く産むのが、女性の役目。女性は子供の生産機械。)
「愛国心があるのか」
これはよく右翼の方から投げかけられる言葉です。
国に対して批判的なことを言うと、こう返されますが、
そもそも何が愛国心かをわかっていない場合も多いような気がします。
国を良くするために声をあげるのは、愛国心以外の何ものでもない気もします。
あとよく聞くのが、
「嫌だったら会社辞めれば?」という言葉。
僕も他の人に言ったことがあります。愚痴ばかり言っていた後輩に対してついつい言ってしまいました。
でもこの言葉は「嫌なら辞める」「残るなら文句を言うな」という2択を選ばせるものです。
他の道があることを見えなくして、相手の思考の枠組みを縛るという意味で、まさに呪いです。
本来なら2択ではなく、その会社に残って、自分が働きやすい環境にするという選択があるはずなのに(これこそ労働運動の真髄!)、
それを隠して相手を黙らせる言葉なのです。
呪いの言葉への対応策‥‥解き方
一般的に社会的な弱者である女性に対して、呪いが多いような気もします。
しかし男性にとっても、自分自身を縛る言葉は多数見られます。
呪いをかけた男性自身も、いつのまにか手足を縛られてしまっています。
現在、多様性が尊重され、様々な生き方が認められてきている中で、
再び時代を遡られるような言葉にうんざりさせられます。。
と同時に、その言葉の強さに、改めておののいたりします。
僕らにできることは、まずは僕ら自身にどんな呪いがかけられているかを一度確認し、
その上でどのような言葉で返していけば良いかを、考える必要があるでしょう。
補足
この本の中に、世の中で最も短い呪いの言葉は名前であるということが書かれています。
僕が嫌いな政治家に橋本聖子という人がいます。
彼女の名前は、オリンピックの聖火に感動した父親が名付けたとのこと。
オリンピックの申し子として、数々の大会に出場していました。
これらは美談のように語られていますが、それはたまたま成功した一例です。(個人的にはとても美談とは思えませんが、今回は置いておきましょう)
そのような親の夢物語に付き合わされ、悲惨な目にあった人たちが彼らの後ろに何千といるはずです。
マスコミはそうしたことも、同時に報道する必要があるでしょう。
また、これから子どもの名前をつける機会のある人は、
そうした被害者を出さないためにも、意識改革が必要かもしれません。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。
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