以前に、背臥位や座位で行う股関節外転筋の筋力強化のイラストをご紹介しましたが、
今回は立位で行うバージョンです。
中殿筋を含む股関節外転筋は、歩行時や立位に働く重要な筋肉です。
歩行の立脚期に働き、骨盤が傾くのを防止します。
中殿筋の筋力が低下すると、骨盤が遊脚側に落下する、いわゆる「トレンデレンブルグ歩行」となります。
また、骨盤が遊脚側に傾くのを予防するために、上体を立脚側に傾ける「デュシェンヌ歩行」も中殿筋の筋力低下が原因です。
それほど中殿筋は大切な働きをします。
高齢者の方は背臥位や側臥位で行った方が良いとは思いますが、
立位では足を床に着いて行うため、メリットもあります。
挙げる方の脚の外転筋も鍛えられますが、
支える方の脚の外転筋は内転筋と同時収縮という形となり、
より実用的な練習になると言えるでしょう。
運動の方法
ではやり方です。
立位になり、しっかりした椅子やテーブルを支持します。
一方の脚を横に広げるように挙げます。
そのまま5秒程度保持し、またもとに戻します。
そのとき、踵から真横、または少し後方に動かすようにしてください。
つま先から動かすと、股関節を外旋させるという代償動作が生じてしまうからです。
また、体幹が傾かないように注意してくださいね。
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