旅の経験が、日常生活や仕事にも活かされる

旅の経験が、日常生活や仕事にも活かされる

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旅の経験が、仕事や日常生活にも活かされる

若い頃、僕はバックパックを背負って近隣のアジアを一人で歩き回っていました。

将来への漠然とした不安は常に心のどこかにありましたが、それ以上に

「昨日とは違う景色が見たい」

「知らない人と話してみたい」

という気持ちが旅へと僕を連れ出していました。

いわゆる“貧乏旅行”だったので、豪華なホテルに泊まることもありませんし、泊まるところは安宿です。

そこでは旅人たちが訪れた国の数をわれ先に競っていましたが、

そのような訪れた国の数を競うような旅のスタイルにも興味を持てませんでした。

それよりも、その国で普通に暮らしている人たちの生活や価値観のほうがずっと面白かったのです。

現地で普通に暮らしている多くの人たちと会いましたが、

自分が生まれた土地からほとんど離れたことがなくても、

家族や友人とのつながりを大切にし、毎日を丁寧に生きている人たちでした。

派手さはなくても、そこには確かな豊かさがありました。

特に忘れられないのは、ネパールでトレッキングをしたときのことです。

途中で出会った家族が、突然訪れた旅人である僕にご飯をご馳走してくれました。

決して裕福とは言えない暮らしぶりでしたが、それでも最大限のもてなしをしてくれました。

あのときに感じた心の温かさは、今でも思い出すことがあります。(このことは以前、記事を書きましたね)

◼️ 旅の続きは、病院の中にもありました

年月が経ち、僕は医療者として病院で働くようになりました。

海外へ行く時間も気力も、若い頃ほどは湧かなくなりました。

でも、気づいてみれば今の僕は、毎日たくさんの新しい人たちと出会っています。

多くは高齢の患者さんたちです。

僕よりもずっと長い人生を歩んできた方々で、その人たちの話を聞くことで、

まるで別の世界を旅しているような感覚になることがあります。

病室で語られる人生の話は、若い頃に異国で聞いた物語とどこか似ています。

景色や文化は違っても、人が大切にしてきたことや、経験してきた出来事には、

その人だけの深さがあります。

かつて旅をしていた頃、僕は「自分とは違う世界」の人に惹かれていました。

いまは病院で「自分とは違う人生」を歩んできた人に惹かれています。

その違いは、思っているほど大きくはありません。

 

◼️ 登山家の患者さんが教えてくれた3つの言葉

あるとき、食道がんの患者さんとよく話す機会がありました。

医療者として仕事の悩みを相談するのは適切ではないかもしれませんが、

その方とはなぜか話しやすく、いつも自然に会話が続きました。

その方は登山家でもあって、きっと旅が好きだった僕とどこか共通点があったのだと思います。

 

そんな彼が、仕事で大切にしてきたという3つの言葉を教えてくれました。

「仕事で成功するには3つ大事なことがある。

一つは意志の強さ。

二つ目は継続する力。

三つ目は楽観的であること。」

どれもシンプルですが、心に残る言葉でした。

意志がなければ迷ってしまいますし、

継続がなければ何も形になりません。

そしてどんなに苦しい場面でも、少しの楽観がなければ前に進めません。

これらは、登山でも同じことなのかもしれません。

そして、人生そのものにも当てはまる言葉だと感じました。

 

◼️ いま、日常が旅のようなものに‥

若い頃の僕にとって旅は「日本の外側にあるもの」でした。

でも今は、日常の中にも旅と同じような発見があります。

患者さんの人生に耳を傾けると、遠い国で出会った家族の温かさを思い出します。

誰かの経験や言葉が、ふっと自分の見方を変えてくれる瞬間があります。

旅は終わったのではなくて、形を変えただけなのだと思います。

外の世界を歩いていた旅は、今では人の内側にある物語へと続いています。

つまらない文章を最後まで読んでいただいて、ありがとうございました。

 

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