認知症の患者さんが不安になる場面と、安心感を引き出す関わり方

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認知症の患者さんが不安になる場面と、安心感を引き出す関わり方

日々リハビリの現場にいると、認知症の患者さんが不安そうに過ごしている場面によく出会います。

「なぜこんなに落ち着かないのだろう?」

「どう声をかけてあげればいいんだろう?」

そんな悩みを抱えるスタッフも多いのではないでしょうか。

今回は、認知症の方が不安になりやすい場面と、その不安を和らげるためにできる関わり方についてお話します。

 

◼️ 認知症の方が不安になる場面

認知症になると、記憶や判断力、時間や場所を把握する力が低下します。

そのため、私たちにとって当たり前の日常が、本人にとっては「なぜここにいるのか分からない」という不安な時間になるのです。

・環境の変化

入院や施設入所など、住み慣れた家を離れ、見知らぬ人や場所に囲まれると強い不安を感じやすくなります。

病棟で「家に帰りたい」と涙ぐむ方が多いのもこのためです。

・時間の感覚が失われる

認知症の方は「今がいつか」が分からなくなりがちです。

認知症でなくても入院していると、カーテンに遮らた空間で1日過ごすことになるので時間がわからなくなります。認知症なら尚更そうです。

朝か夜か分からず、夕方になるとソワソワし落ち着かなくなる「夕暮れ症候群」も代表的です。

・目の前の状況が理解できない

「どこへ行くのか分からないまま車椅子の乗せられて移動する」「初めて会うスタッフにいきなり声をかけられる」「しかも挨拶もされない」

こうした状況では、パニックに近い不安を抱く方もいます。

そんな時は周囲の言葉が届きづらくなります。

・言葉が早い・難しい

僕たち医療スタッフは当たり前に専門用語を使用します。

一見簡単な言葉でも、馴染みがないものが結構多くあります。

専門用語や長い説明は混乱のもとになります。

理解できないことが増えるほど不安は強まります。

家族がいないと感じるときや、面会がない日や家族の顔を忘れてしまったとき、自分が「見捨てられた」と感じてしまうこともあります。

◼️ 不安を和らげるために、私たちができること

認知症の方の不安は、「何か怖いけど、それが何か分からない」という漠然としたものです。

だからこそ、安心できる材料をひとつひとつ積み重ねていくことが大切です。

・名前を呼び、まず安心感を

笑顔でゆっくりと、本人の名前を呼びます。

「〇〇さん、大丈夫ですよ」

たったそれだけで、表情がやわらぐ方もいます。

・見える形で説明する

「これから食堂に行きますね」など、行き先やこれからの流れを伝えましょう。

時計やカレンダー、案内板など、視覚的な情報も有効です。

・目線を合わせ、そっと触れる

しゃがんで目線の高さを合わせたり、手に軽く触れることで安心感を伝えられます。

(ただし、触れられるのが苦手な方もいるので注意!)

・ルーティンを大切にする

毎日同じ時間、同じ順序でケアやリハビリを行うと安心感が生まれます。

スタッフの都合の良い時間ではなく、あくまで患者さん本意で。

・家族の存在感を伝える

面会が難しいときも、「ご家族も応援してますよ」と伝えたり、家族の写真を飾るなど、身近な存在を感じられる工夫が役立ちます。

 

◼️ おわりに

認知症の方が不安になるのは、「今ここにいる理由が分からない」「次に何が起こるか分からない」からです。

だからこそ、スタッフの声かけや表情、ちょっとした説明や環境の工夫がとても大きな意味を持ちます。

私たちが不安の理由に気づき、ひとつずつ取り除くことができれば、リハビリや生活はもっと穏やかでスムーズになります。

ぜひ、今日からの関わりのヒントにしていただければ嬉しいです。

ありがとうございました。

 

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