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下っていくキャリアという考え方
職場には「キャリアラダー」という仕組みがあります。
ラダーは“はしご“いう意味。キャリアは上に上がっていくものという考えのもと、そのプランを“はしご“に例えられることが多いです。
新人の頃は社会人としての基本や臨床の基礎を学び、
中堅になるとチームをまとめ、
やがて管理職として組織を動かす側へ。
そんなふうに、段階を踏んで上へ上へと登っていく道筋です。
僕もこれまで、その流れに従って歩んできました。
正直、嫌だな〜と思いながら、そういうものだと考えてきました。
昇格すれば給料が上がり、評価もされる。
それがある意味、成長だと思っていたのです。
けれど病気を重ね、立場を降りたいま、
「上に登ること」だけがキャリアなのかと考えるようになりました。
努力をやめたわけではありません。
ただ、登ることを前提にした世界では、
“立ち止まる”ことも“別の道を行く”ことも、
どこか後ろめたく感じてしまうのです。
息苦しささえ感じます。
でも、本来キャリアは一つの形ではないはずです。
ある人はリーダーとして前に立ち、
ある人は研究や教育で支え、
またある人は現場で静かに患者さんと向き合う。
それぞれの道があっていい。
むしろ年齢を重ねた今だからこそ、
“自分に合う高さ”を見つけて立つことが大切なのかもしれません。
僕の場合、これからは登るよりも、
ゆっくりと下っていく生き方を選びたいと思っています。
下るというのは、何かを失うことではなく、
力を抜いて、自分のペースで歩くこと。
若い人に場所を譲りながら、
自分にしかできない形で現場に関わっていくこと。
それは静かな老成の道でもあります。
キャリアラダーという“はしご”は、
ただ上に登るためのものではなく、
時に振り返り、下りながら新しい視点を得る道でもある。
上りきった先に見える景色もあれば、
下りながら見える景色もある。
どちらも人生の大切な風景です。
・・・なーんて分かったようなこと書きましたが、それなりの葛藤があったのですが。
これからも悩んだり立ち止まったりするんでしょうね。
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