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関節の構造・種類について
関節には大きく分けて、動かない不動関節と動かせる可動関節の2種類あります。
不動関節の代表例は頭蓋縫合線。一方可動関節は肩関節や股関節など、いわゆる一般的な関節です。
今回は可動関節についてイラスト使って簡単にご説明したいと思います。
可動関節(自由に動く関節、滑膜性関節とも呼ばれる)は、動きの種類に応じていくつかのタイプに分類されます。
以下に種類と具体的な関節名を挙げますね。
・ 球関節(球状関節)
凸側が文字通り“球“のような形状で、受ける凹側はお椀のような形状をしています。
球形状であるため、あらゆる方向に動かすことができます。自由度が最も高い関節といえます。
• 特徴:
最も自由度が高く、あらゆる方向に動く(屈曲・伸展・内転・外転・回旋など)。
• 例:肩関節(上腕骨と肩甲骨)
受け皿が浅いため、脱臼のリスクを抱えています。
・ 臼状関節
同じ球関節でも臼のように受け皿が深いのが特徴です。自由度が高いのでお大きくグリグリ動かしても大丈夫。(ただし置換術を施行している人は要注意!)
• 例:股関節(大腿骨と寛骨)
・蝶番関節
これも文字通り蝶番のような形状をしているため、こう呼ばれています。扉を開閉する動きをイメージしてください。
• 特徴:
1つの方向にのみ動く(屈曲・伸展)。
• 例:肘関節(上腕骨と尺骨)これは螺旋関節として分類されることもあります。
•例: 膝関節(大腿骨と脛骨)
•例: 指節間関節(IP関節)(指の関節)
・車軸関節
車の車輪のような構造をしています。
• 特徴:
1軸の回旋運動のみ可能。
• 例: 橈尺関節(近位・遠位)(前腕の回内・回外運動)
• 例:環椎軸椎関節(C1とC2の間、首を回す動き)
・ 楕円関節
平たい形状した骨が、浅い凹形状の骨にはまっています。
• 特徴:
二軸性で、屈曲・伸展、内転・外転が可能(回旋は不可)。
• 例:橈骨手根関節(手首の関節)
•例: 環椎後頭関節(頭と首の関節)
後頭顆は凸状の卵形、凹形の環椎の上関節面と関節を形成します。
・ 顆状関節
• 例:距骨下関節(距骨と踵骨の関節)
距骨下関節の運動は上下四方にローイングします。
それで足関節の内返し、外返し、内反、外反を可能とします。
・鞍関節(サドル関節)
馬の鞍に似た形状をしていることから、こう呼ばれています。人が鞍にまたがったときに生じる動きをイメージしてください。
• 特徴:
二軸性で、楕円関節と似た動きが可能(屈曲・伸展・内転・外転・わずかな回旋)。
• 例: 母指CM関節(第一中手骨と大菱形骨)(親指の付け根)
この関節のおかげで親指の細かな動きができるようになります。
・平面関節(滑走関節)
• 特徴:
関節面がほぼ平らで、滑るような動きが可能。
• 例:手根骨間関節(手首の小さな骨同士の関節)
・例:足根骨間関節(足首の小さな骨同士の関節)
・例:肩鎖関節(鎖骨と肩甲骨の間)
終わりに・・・
以上、代表的な関節の種類をイラストとともに紹介しました。
このように関節の形状によって動きが異なり、それぞれの特徴に応じた機能を持っています。
関節可動域訓練を行うときは、これらの構造を思い浮かべて、どの方向なら動くのか、動く方向を考慮しながら介入するとよいでしょう。
ありがとうございました。
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