「障害」を「障がい」と書けば、果たして社会は良くなるのか!

「障害」を「障がい」と書けば、果たして社会は良くなるのか!

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「障害」と「障がい」という言葉

「障害」という言葉は一般的に広く使われている公的な表現です。

僕も「障害」という言葉を普通に使っています。

ただ僕がまだ新人だった20年前に、上司から障害という言葉には当事者を傷つける言葉だから使わないほうが良いと注意を受けたことがあります。

障害の「害」という文字がネガティブな印象を与えるということでした。

テレビでも当事者が『私たちは社会にとって害なのか!』と声高に憤っている場面を見たことがありました。

確かに害という感じが与えるイメージは悪い。

「害虫」「害獣」「害悪」などなど。どれもネガティブなものばかりです。

運動会でおこなわれる「障害物競争」も物に邪魔されながらする競技です。

『私たちが邪魔ものなっているように感じる』という障害者の気持ちも、もっともです。

そのことがあってから、僕も害という漢字をひらがなにして「障がい者」と書くようになりました。

今思い返せば、なんとなく「配慮しているんだぞ。気を遣っているんだぞ。」という雰囲気を出したかったのだと思います。

なんという思い上がり。恥ずかしい限りです。

 

「障害」を「障がい」と書けば、果たして社会は良くなるのか!

今は普通に「障害者」という言葉を使っています。

もちろん当事者の中にはその「害」という文字に抵抗感がある人が一定数いることは理解しています。

ただ僕自身が障害者になって、言葉なんてそれほど大きな意味がないと感じます。

「障害」を「障がい」したからって、当事者自身の生きづらさが軽減することはありません。

障害者への理解が深まることにはならないし、差別がなくなる近道にはなることはないでしょう。

単なる言葉遊びのような気がします。

「妨げる」という意味を持つ「碍」という漢字を当てはめて「障碍者」という言葉は昔から存在するようですが、これもなかなか普及していません。

僕個人としては、言葉を変えてお茶を濁すのではなく、もっと実践的な取り組みが必要だと考えています。

 

実践的な取り組みが必要〜合理的配慮とは?

障害者が健常者と同じように教育、雇用、医療などの機会を得られるようにする法的な整備が必要です。

特に障害者の就労の問題は難しい。

その人の障害にあった仕事につける可能性は限りなく低いのが現状です。

障害者雇用制度を使って運よく働けたとしても賃金は低く、それだけで生活ができる額ではありません。

やりがいを持って働くことはさらに難しい。

障害者差別解消法を厳格に運用することが大切です。

障害者差別解消法は民間事業者が障害者に対して合理的配慮を提供するように定めています。

改正法の施行によって努力義務から法的義務になりました。

ただこの合理的配慮というのが、曖昧です。その内容は

・物理的環境への配慮

・意思疎通の配慮

・ルール・慣行の柔軟な変更  です。

残念ながらこの法律には具体的な内容は規定されていません。

というのも、障害者の状態は多様であり、個別性が高いからです。

障害者自身が声をあげて、実績を作っていくことが、後からやってくる障害者の未来に大きく影響を与えます。

データを積み上げることが重要です。

僕も微力ながら声をあげたいと思います。

なかなか職場の理解は得られないものですが。

 

最後まで読んでいただき、ありがとうございました。

 

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