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褥瘡とは
褥瘡とは、同一部位への継続的な圧迫を主とする皮膚や軟部組織の壊死のことです。
仙骨部など骨が突出している部分は、筋肉や脂肪などの軟部組織が少なく、限局性の圧迫を受けやすく、組織を損傷してしまいます
圧迫された状態で、ズレや摩擦が加われば発生率は高まります。
マイクロクライメット(温度や湿度のこと)が大きく影響します。
特に高温度、高湿度の時に、褥瘡のリスクも上がります。
褥瘡予防のポジショニングの対策
対策としては、まずは一部分にかかる荷重を少なくすることです。
そのために体重を受ける面を広くとって、荷重を分散させる必要があります。
では体位別に、好発部位とポジショニングについてご紹介しますね。
褥瘡の好発部位
【背臥位】
(足の方から)踵骨部、仙骨部、肘部、肩甲骨部、後頭部
【側臥位】
(足の方から)外果、膝関節部(腓骨)、大転子、腸骨部、肘部、肩峰部、耳介
【腹臥位】
(足の方から)趾尖部(足趾)、膝関節部(パテラ)、陰部、肩鎖関節部、耳介部、頬部
【ギャッジアップ位(ファーラー位)】
(足の方から)踵部、臀部、仙骨部、肩甲骨部、後頭部
半側臥位が有効
では、どうしたら良いかと言われたら…
背臥位や側臥位での好発部位を予防するには半側臥位(30度)が推奨されています。
頻発の仙骨や大転子、腓骨等の荷重を逃すことができます。
比較的長時間保つことができることもメリットです。
半腹臥位(前傾側臥位)も褥瘡予防に有効ですが、人員が必要なこと、窒息のリスク等があります。
ギャッジアップ位(ファーラー肢位)の場合は、身体がズレて下がってしまい、骨盤が後傾しがちです。
仙骨部に圧が集中してしいます。
「背抜き」を行い、仙骨の圧迫を取り除いてください。
(※背抜きとは、背上げを行った後に、上体を浮かせて背中の皮膚に生じた圧を取り除くこと。)
いろいろ言いましたが、どんなポジショニングも完璧なものはありません。
時間の経過とともに身体ズレてきますし、安定していても長時間は避けるべきです。
2時間程度にこまめに体位交換するなら、そこまで気にしなくて良いかもしれません。(患者さんの状態によりますが)
今回は褥瘡予防の観点からポジショニングを考えてみましたが、呼吸・循環、嚥下など、見なければいけない観点はさまざま。
その患者さんに必要なものを選択したいものです。
以前に、各ポジショニングのメリット・デメリットを記したので、ご参考にしてください。(→こちら)
参考になりましたでしょうか。
ありがとうございました。
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