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ステロイド服用による筋萎縮、筋力低下についての実感。
僕は今まで理学療法士として、入院患者さんを中心に担当してきて、臥床・不動による廃用症候群、特に筋力低下についてある程度理解していたつもりでした。
今回、脳炎で長期間にステロイドを使用したことで、一般的な廃用の筋力低下とちょっと違うことを実感したので、簡単にご報告しますね。
あくまで一個的な体験談ということをご承知おきください。
その前に、一般向けに廃用症候群のご説明から。
廃用症候群とは
廃用症候群とは、動かないことにより、筋肉のタンパク質の合成が遅れて、その結果筋力低下が起こったり、関節可動域の制限、心機能の低下などが起こることを言います。
安静の状態でいると、1週間で10〜15%、3〜5週間で約50%の低下が起こるとも言われているいます。
ずっと昔に海外で行われた研究では、健康な20代の若者を2週間ベッド上で生活させたら、全く歩けなくなったとう報告もあります。(こんな研究、倫理的に今では不可能ですね)
僕は臨床の経験から、長期にベッド上安静にした患者さんに共通しているのは、抗重力筋、中でも臀筋の筋力低下が著しいと感じていました。
身体の後面に位置する筋肉は、どうしても動かしづらいので、したくなく筋肉を収縮する機会を失うからです。
もちろん大腿四頭筋や下腿三頭筋もなども筋力低下を起こすのですが、もともと大腿四頭筋は大きな筋肉ですし、患者さん自身で脚を上げて低下を予防していることもあります。
下腿三頭筋も同様に、患者さんが自ら足首を動かしていることもあります。(看護師さんに促されてやっている場合もありますし。)
だから、実際はそれ程落ちてないことも多いです。
1〜2週間程度の臥床後でも、意外に立つことが出来る患者さんもいるんですよ。
ステロイド服用の場合は・・・
しかしステロイドを長期に服用すと、まさに全身の筋肉が筋萎縮を起こします。
これも今回に自分で体験して実感しました。
体重は13キロ落ち、脚はヒョロヒョロ、お尻はぺっちゃんこ。
まさに高齢者体型。
シャワーチェアに座ると、坐骨が当たって痛くて座れないくらい。(誇張ではない!)
反面、顔とお腹は肥満状態。
日常生動作は、立ち上がることさえ、出来ませんでした。
便器から手すりに掴まってやっと立ち上がれる。
もちろん階段は昇れない。
声帯に関係する筋も低下するのか、声質も変化しました。(これの原因は定かではないけど)
リハビリをしても、思い通りには進まず、一進一退。
2ヶ月前にはジムトレニーニングを始られるレベルに一時回復したのに…ですよ。
ステロイドの量を減らせると、筋繊維は回復すると思いますが、ステロイドをどのくらいまで減らすことができるのか未定。
先が見ない状態です。
自分がこんなことになるなんて思っていませんでした。
「筋肉は改善させるより、予防することが簡単」と口で言いながら、いくら予防しようとしても、落ちていくものはある。
それが実感です。
ただの愚痴になってしまいました。
とにかくやるしかしないのですが。
お粗末でした。
また、また。
ありがとうございました。
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