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HOT(在宅酸素療法)とは?
HOTは、Home Oxygen Therapyの略で、自宅で酸素吸入を行う治療法のことです。
慢性呼吸不全などで体内の酸素濃度を十分に保てない方が対象で、医師の指示のもと自宅に専門の装置を設置し酸素供給を行います。
自宅で酸素療法が受けられるようになったことで、在宅復帰や社会復帰が可能となりました。
今までは普通に行われるHOTも、初めてか健康保険の対象になったのは1985年と、割と最近なんですよね。
HOT(在宅酸素療法)の注意点
注意点はいくつもありますが、今回は以下の3点挙げてみました。
・火気を近づけないこと
ご存知ように、酸素はものを燃えやすくする性質があります。
酸素吸入中は、火気(タバコ、ライター、ストーブ、コンロ、線香など)の2m以内に近付かないようにしてください。
僕は、火傷をしたことがある患者さんを知っています。
その人は、軽い火傷をしたにもかかわらず、『2度とやらない。タバコを吸うときはカヌラを外す。』と言っていますが、そもそも呼吸器疾患があるのに、タバコを止める気がないことに口が塞がらない思いですが。
・入浴方法に気をつける
入浴は酸素を多く消耗します。
酸素ボンべを外して入る方も多いと思いますが、必ず酸素吸入下で行ってください。
また身体の負担を軽減するために、以下の点に気をつけてください。
・首まで浸からずに、半身浴程度にする。
・温度は40度程度に設定する。
・長時間入浴しない(15分程度)。
・脱衣所をあらかじめに温めておく。
・脱衣所に休めるよう椅子を用意しておく
半身浴は冬場は厳しいですが、シャワーを併用することで対応しましょう。
・酸素量の設定を勝手に調節しないこと
医師が設定した吸入量(例えば、安静時は1L、労作時は2L)を守りましょう。
苦しいからといって設定を変えてしまうと、かえって呼吸が苦しくなってしまうこともあります。
酸素が多すぎると、呼吸の自動調節機能は破綻し、二酸化炭素が体内に貯留するナルコーシスという病態になってしまうことがあります。非常に危険です。
以上、在宅酸素療法な注意点をイラストを交えて簡単に述べてみました。
患者さんの指導などに使っていただけたら、幸いです。
ありがとうございました。
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