『自立度』という用語の整理(イラストでご紹介)

『自立度』という用語の整理(イラストでご紹介)

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医療、介護の現場には、スタッフ間で使用する共通言語というものが存在します。

共通言語を使うことで、簡便にその患者さんの状態を把握することができることから、

どの病院、施設でも多用されていると思います。

例えば患者さんの意識レベルを測る言葉。

「意識混濁」「傾眠」「意識清明」など様々な言い回しがあります。

これらはぼんやりした言葉ではありますが、患者さんの状態を表すには便利です。

(実際は別の指標、例えばGCSJCSなどの評価指標を使って、厳格に定義する場合の方が多いですが)

 

今回取り上げる「自立度」の言葉も医療関係者で使われる言葉です。

しかし統一されていない場合も多く、職場内に混乱をもたらすこともあります。

うちの職場でもそうなんですが、同じ言葉を使っていても定義が違っていたり、

そもそも各個人で使う言葉が異なっていたりします。

今回はそういった意味で、一回言葉の整理をしたいと思います。

今回取り上げた言葉は、様々な出どころから持ってきた言葉なので、必ずしも一並び(順列)にはなっていません。

お間違えのないようにお願いします。

 

自立度の用語

では、まずは「自立」から。

『自立』

    全て自分で安全に行えるということです。わかりやすい。

 

『修正自立』

    自助具などを使用して、自立している場合です。

修正自立という言葉は、FIMから来ているのでしょうね。

 

『遠位監視』

      見守りレベルのうち、声かけのみで修正可能な場合です。

目視できる範囲にいて、行動を見守る必要があるということです。

見ていないと、どっかに行ってしまうとか、そんなところでしょうか。

 

『近位監視』

見守りレベルだけれども、直接的に体に触れた介助で修正可能。

つまり転倒しそうになった時に、支えられるくらい近い距離で見守る必要があるということです。

 

 

余談になりますが、「監視」と「見守り」の違いは何かわかりますか。

言葉の違いだけで、意味は大きく違わないと思います。僕は学校で「監視」と習いましたが、

実際の臨床場面では監視とは言わず「見守り」を使っています。

「監視」という言葉は「囚人の監視」を連想させますし、

なんとなく上から目線のような感じがして、

使いづらいのが現実ですね。

 

『接触介助』

  これは介助の中では最も軽い介助です。

によっては軽介助と一緒にしている人も多いと思います。

 

『誘導』

これも、使っている人もいれば、いない人も。

介助まではいかないまでも、動きの方向などを促す必要のある場合でしょうか。

 

軽介助』

FIMで言うところの4点。

75パーセント以上患者さんが行ってい場合を指すのかな。

 

 

また余談になりますが、介助量を明確にすることも大切ですが、

動作のどのフェーズで、どの部分を介助を必要とするかを明らかにすることがとても大事です。

それが患者さんの自立に欠かせないからです。

リハビリのスタッフはそのことに命をかけています(大袈裟)

 

『中等度介助』

文字通り中等度の介助が必要な患者。

FIMで言うところの3点。

50%以上、75%未満の内容を患者さんが行っている場合を指すのかな。

 

 

重度介助(最大介助)

FIMで言うところの2点。

25%以上、50%未満の内容を患者さんが行っている場合を指すのでしょうか。

 

全介助

FIMで言うところの1点。

25%未満の内容を患者さんが行ってい場合を指します。

 

 

以上、自立のレベルを表す言葉を並べてみましたが、

曖昧なところが多いことに改めて気がつきました。

それぞれの言葉が明確に定義づけられているわけではないですからね。

よく「監視も介助に入る?」という質問をする方がいますが、

厳密には入ると思います。

介助という大きい枠組みの中の監視ってことでしょうからね。

 

まとめ

今回、様々に飛び交う言葉を整理してみましたが、

なかなか共通言語にするのは難しそうですね。

ADLの評価にFIMを使用いるところであれば、

FIMの点数で表すのは合理的かもしれませんね。

 

ちなみに、挿絵として挿入したイラストは、このために新たに描いたものではないので、ちょっと適切ではないものも含まれています。

時間があれば、ちゃんと描き直したいと思います。

 

長文、お付き合い、ありがとうございました。

 

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