〈スポンサーリンク〉
パーキンソン病の歩行練習について
今回紹介するのは、パーキンソン病の患者さんによく用いられる歩行練習です。
パーキンソン病の患者さんの歩行練習に関わっていると、
「歩けないわけではないのに、なぜか止まってしまう」
そんな場面に何度も出会います。
足の筋力はある。関節も動く。
それでも、最初の一歩が出ない。方向を変えた瞬間に足が床に貼りついたようになる。
パーキンソン病の歩行障害は、筋力や可動域の問題というより、“動きの出しにくさ”そのものだと感じることが多いです。
パーキンソン病の症状の特徴
パーキンソン病の症状として、主に以下の症状があります。
・安静時振戦(手足の震え)
・筋肉の固縮
・姿勢反射障害
・動作緩慢
・運動機能低下(動作の大きさが低下)
このような症状からパーキンソン病の患者さんが歩くときは、
歩幅が小さくなり、小刻み様に、
上肢の振りも小さくなって、体幹の回旋も少なくなります。
それに対して、
歩幅を大きく、腕を大きく振ってダイナミックに歩くことが推奨されています。
歩行練習のやり方・歩行練習の注意点
つい私たちは、『もう少し大股で』『もう少しテンポを上げて』と声をかけてしまいがちです。
ですが、パーキンソン病では頑張らせるほど動きが止まることがあります。
一生懸命やろうとするほど、頭の中がいっぱいになり、結果として足が出なくなる。
その姿を見るたびに、
「努力の量」と「動きやすさ」は別物なのだと実感します。
歩行は「自分の力」だけで出さなくていい
この疾患の歩行練習で大切なのは、
外からの合図を上手に使うことです。
床に30㎝間隔でラインを引き、これを目標に歩くことでも
足は出しやすくなります。
「イチ・ニイ・イチ・ニイ‥」と
声を出しながら(またかけながら)リズムを取りながら歩くと、
足が出しやすくなります。
足底に軽く触れて動き出しを促す。
それだけで、驚くほどスッと歩き出せることがあります。
これはズルをしているわけではありません。
内側から出にくい運動指令を、外側から助けているだけです。
すくみ足が出たとき、慌てない
歩行中に足が止まったとき、
周囲が焦るほど、本人はさらに動けなくなります。
「前に出して」
「早く」
そう言いたくなる気持ちをぐっと抑えて、
- いったん止まる
- 深呼吸する
- 横に一歩出る
- 何かをまたぐ
そんな**“解除の型”を一緒に確認する**ことが大切です。
「止まっても大丈夫」「やり直せる」
そう思えるだけで、歩行はずいぶん安定します。
できるだけ歩幅を大きく、取ることを心がけましょう。
また手の振りは極力大きくし、体幹を捻るようにしてください。
こんな感じで。
歩行練習は、姿勢練習でもある
前傾姿勢が強くなると、
歩幅はさらに小さくなり、加速歩行につながります。
だから私は、歩行練習の前に、
- 立位での重心位置
- 頭と体幹の位置関係
- 体重移動の出しやすさ
を必ず確認します。
歩行は突然始まるものではなく、立位の延長。
そう考えると、アプローチが少し変わってきます。
ONとOFFで、別の人のようになる
薬のONとOFFによる差も、
この疾患では避けて通れません。
動きやすい時間帯と、そうでない時間帯。
同じ練習でも、リスクは大きく変わります。
「昨日できたから、今日もできる」とは限らない。
その前提を、私たち支援者側が持っておく必要があります。
終わりに
先ほど述べたようにパーキンソン病の歩行練習は腕の振りは大きく、
歩幅を大きく意識させて歩くことが大切です。
普段の生活でこのように歩くのは、気恥ずかしさもあるでしょうが、
運動場などで、ダイナミックに歩くのは抵抗なく受け入れられると思います。
歩行障害が出現する前から、運動の習慣をつけることが大切です。
ありがとうございました。
〈スポンサーリンク〉

