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片眼失明の障害。
今まで、あまり意識することはありませんでした。
僕が何年か前に片耳失聴を患ったことは以前に書きましたが、
片耳失聴という障害は思っていたより大変で、生活や仕事に多大な影響がありました。
そういった自分の体験から考えると、
片眼の視力を失った方の大変さは十分に想像しえるものだったはずなのですが、
なかなか他の人への想像までには至っていませんでした。
よく考えたら日常生活を送る上での困難さは
耳が聞こえないことより問題は多そうな気がしますが、
要するに気持ちがそこまでいかないんですね。
今回盲者の弁論大会をテレビで観る機会があり、改めて考えるキッカケになりました。
やっぱり元々2つ備わっている機能が1つになると、それだけで大変です。
それは耳の場合と同じですね。
片眼失明で困ることはたくさんありますが、大まかに分けて、次の通りです。
1.視野が狭くなる。
これは容易に想像できます。
両眼で見えていたものが片側になるのですから、
一部分は確実に見えずらくなります。
一般に両眼での総合視野は左右で180~200度ありますが、
片眼での視野は外側(耳側)に約90度、
内側(鼻側)に約60度です。
この値を結構見えていると捉えるか、少ないと捉えるかは難しいところですね。
中途で片眼の視力を失った方が、人にぶつかる経験が多いことを考えると、
大きな問題だと思います。
2.距離感がつかめない。
試しに片眼で見てみるとわかると思いますが、
距離感は両眼で見て初めてわかるものです。立体感も同様です。
片眼をつむってコップに水を注いでみてください。
大概失敗します。
不整地を走ってみると、転ぶ確率も高いでしょう。
階段昇降は、距離感がつかめない方にとって、最も難しい動作のひとつです。
3.眼精疲労がものすごい。
片眼で本を読むと、直ぐに疲れてくるのがわかります。
片眼への負担感も大きく、眼精疲労を生じてしまいます。
弁士となっていた彼女も、毎日頭痛に悩まされているそうです。
試しに片眼をつむってやってみても、10分と持ちません。
疲れ果てて、目を開けることを放棄したくなります。
この状態が生涯続くと考えると、絶望的な気持ちになるでしょう。
そんな中、テレビの中の彼女がとった行動は、
そのことを周囲に伝えていくということでした。
理解を得るために自らその辛さを公表したのです。
僕自身も、障害をおってしばらくして、
「誰かが気遣ってくれるだろうということは甘い考え」だったことに気がつきました。
やっぱり伝えていかないと、分からないと思います。
もちろんそればかり言っていると、言い訳がましく聞こえるので注意は必要ですけどね。
ちなみに片眼失明の場合、障害年金の対象にはならず、
一時支給の障害手当金の対象となります。
片眼の視力が0.1に満たない場合に当てはまり、
障害を受傷した時に厚生年金に加入していれば受給資格があります。
ご参考にしてください。
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