リハビリ場面で患者さんがかけられて「嬉しかった言葉」「傷ついた言葉」

リハビリ場面で患者さんがかけられて「嬉しかった言葉」「傷ついた言葉」

〈スポンサーリンク〉



 

リハビリ場面で患者さんがかけられて「嬉しかった言葉」「傷ついた言葉」

今回は、入院中のリハビリ場面でスタッフから患者さんにかけられて「嬉しかった言葉」「傷ついた言葉」をテーマに、実際に患者さんから伺った声をもとにご紹介します。

どんな言葉をかけるかによって、患者さんのやる気や安心感は大きく変わります。

私たちリハビリスタッフが、言葉の力を大切にする理由が、ここにありますね。

 

◼️ 患者さんが「嬉しかった」と感じた言葉

患者さんはよくこう言います。

「私は褒められて伸びるタイプなんです!」

以下にセラピストから言われて嬉しかったと感じた言葉を挙げてみますね。

「少しずつ良くなってきていますよ」

「本当に良くなってるのか不安だったけど、この一言で希望が持てました。」

案外自分のことは自分ではわかりずらいものです。

小さな変化でも気づいてくれると、患者さんは「ちゃんと見てくれてるんだ」と安心します。

「今日もよく頑張りましたね!」

「努力を認めてもらえるのって、こんなに嬉しいんですね。」

認められることで、次も頑張ろうと思える声かけです。

 

「一緒に頑張りましょうね」

 → 寄り添ってくれる安心感を与えます。「一緒に」という言葉がミソ。

 

「無理しなくて大丈夫ですよ」

「自分のペースでいいんだと思えると、気が楽になります。」

安心感を与え、不安や焦りをやわらげてくれる一言です。

特に介入当初には大切です。

 

「この前よりスムーズに動けていますよ」

「自分では分からなかったけど、成長してるって言われて嬉しかった。」

患者さんは自分の変化に気づきにくいもの。スタッフの観察力が力になります。

 

「できることが増えてきましたね!」

 → 成長や回復を実感でき、自信につながります。

できるようになったことを、こまめに伝えましょう。

 

「焦らなくて大丈夫。回復には時間が必要ですから」

 → 長期的な視点を持たせ、不安を軽減します。

患者さんは大概早く退院したいと焦っているものですからね。

 

「私たちがついてますからね」

「一人じゃないって思えて、心強かったです。」

セラピスト側に自信がないと言えない言葉。

「私も応援しています」くらいの方が良いでしょうか。

信頼関係を築くためにも、こういった寄り添いの言葉は大切です。

 

「 無理はしていませんか?」

 → 身体だけでなく、心にも寄り添う姿勢が伝わります。

 

「いつも元気ですね!」「今日もいい笑顔ですね!」

 → 気分を明るくしてくれる声かけです。

ですが患者さんは無理をして笑顔になっている場合も多いので要注意です。

 

「いつも前向きで素晴らしいです」

 → これも同様に、患者さんはセラピストの前で無理をして前向きな姿を見せていることもあります。患者さんの性格や様子を観察して言いましょう。

患者さんは精神面の努力も評価してくれると感じて嬉しいと思うこともあります。

 

「退院が見えてきましたね」

 → ゴールが近づいている実感を与えます。言うタイミンングを考えて!

◼️ 患者さんが「傷ついた」と感じた言葉

逆にリハビリスタフから言われて傷ついたことがをあげてみます。

ついつい言ってしまって、後になって後悔するんですよね。

ではいってましょう!!

「もっと頑張らないとダメですよ」

「自分なりに精一杯やっているのに、否定された気がしました。」

→善意で言ったつもりでも、プレッシャーや否定に聞こえてしまうことがあります。

 

「他の人はもっとできてますよ」

「比べられるのは辛い。自分は自分なのに。」

 → 比較されることで劣等感や焦りが生まれます。

リハビリは個人差が大きいからこそ、比較は禁物です。

 

「まだ歩けないんですか?」

「責められているように聞こえて、ショックでした。」

悪気のない驚きの言葉でも、受け取る側には重たく響くことがあります。

 

「本当に痛いんですか?」

 → 確かに痛みの原因がわからず、心理的な痛みかなあと思うことはあります。

ただ、痛みを疑われることで信頼関係が損なわれます。要注意!

 

「気の持ちようですよ」

「つらさを分かってもらえないと感じました。」と言う患者さんも。

痛みや不安を軽視されたと感じると、信頼を失いやすくなります。

 

「前にも教えましたよね?」

 記憶や理解力の問題がある方もいて、同じことをなん度も言わなくちゃいけない場面はあります。

ですが、これは言わないほうが絶対いいいです。否定的な印象を与えます。

 

「それくらい自分でやってください」

「助けてほしい気持ちを否定された気がした。」

自立を促すつもりでも、タイミングや言い方に配慮が必要です。

 → 自立支援のつもりでも、冷たく突き放された印象に。

 

「そこにこだわらず、前向きに行きましょう」

→前向きに行こうという励ましは時に有効ですが、患者さんがこだわっているところを無視して単に励ますことは逆効果です。

 

「このままだと退院できませんよ」

これ、言っているセラピストや医師もよく見ます。

 → プレッシャーとして受け取られ、モチベーションが下がります。

 

「時間がないので急いでください」

 → 患者のペースが無視されてしまいます。

 

「そういう性格だからダメなんですよ」

 → 性格や人格を否定されているように感じます。これは絶対やってはいけません。絶対ダメ!

 

「仕方ないですよ、あきらめましょう」

 → 確かに仕方がないこともあります。でもこれを簡単に言ってはいけません。希望を持ちたくても突き放された印象になります。

 

◼️ 傷つけないためのポイント

いくつかありますが、共通しているのは、次のことです。

• 相手の立場や努力を尊重すること

• 比較・否定・決めつけを避けること

• 共感や観察に基づいた言葉かけを意識すること

◼️まとめ

言葉は「薬」にも「刃」にもなります。

患者さんとの信頼関係を築くうえで、言葉の選び方はとても大切です。

小さな変化や努力を見つけて伝える

比較・否定的な言葉を避ける

共感と思いやりを持った声かけを意識する

 

リハビリの中で私たちができることは、運動だけではありません。

患者さんの心に寄り添うコミュニケーションこそが、前向きな回復への道をつくるのだと思います。

 

最後まで読んでいただいて、ありがとうございました。

一緒に頑張りましょう!

 

ポチっとお願いします↓

オリジナルイラストランキング

〈スポンサーリンク〉