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医療安全対策で「指差し呼称」は重要!
医療現場に限らず、操作に人が関わっている以上、ミスは必ず起こるものです。
そのミスの防止手段として指差し呼称が用いられています。
『何を今更』と思うかもしれませんが、なかなか定着していない職場が多いのでしょうか。
しかし、これにはしっかりしたエビデンスがあるものです。
◼️ 指差し呼称のエビデンス
① 患者誤認事故の“上位原因”である
医療事故調査機構や国際医療機能評価(JCI)、WHOの報告では、
**誤認(patient misidentification)**は最も多く報告されるインシデントの一つです。
WHO(Patient Safety Solutions, 2007)では、
“Two identifiers should be used before any medical intervention.”
→「氏名だけでなく、複数の識別子を使うべき」と提唱
=呼びかけの仕方を統一する必要性が明確化されています。
② 高齢者・認知症・脳卒中患者では呼称の違いが混乱を招く
研究(NPSA, 2010、国内の医療安全研究など)では、
- 苗字のみ
- 下の名前のみ
- あだ名
- 部署ごとに違う呼び方
などが混乱・拒否・誤認の原因になると報告されています。
特にPTが関わる移乗・歩行・訓練では、
呼びかけの不一致が事故リスクを高めることが分かっています。
③ 一貫した呼称は患者の安心感を高める
医療安全の観点に加えて、
- 「自分のことを認識されている」
- 「尊厳を保たれる」
ことが、協力性を高めるという報告もあります(患者体験研究)。
◼️ 指差し呼称のやり方
具体的にみてみましょう。
「対象物を見つめ」、「指を差して声出し」、「腕の振り上げ」、「腕の振り下ろし、確認のための呼称」をします。
1. 対象物をしっかり目視する

2. 指を差す。
声を出しながら、対象物を指で差します。

3.振り上げて確認する
指を耳元に戻しながら、確認事項が本当に正しいか、心の中に反芻し、再確認します。

4.振り下ろす
『よし!』と発声しながら手を振り下ろします。

以前にも指差し呼称のイラストを描いたことがあります。
医療安全の取り組みの際に、活用してみてくださいね。
ありがとうございました。
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