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転院時のサマリー(申し送り)で悩まない! 〜受け入れ先が本当に知りたいことは?
今回は、私自身もよく悩むテーマである「サマリー(転院時の申し送り)」について書いてみます。
患者さんが別の病院や施設に転院する際、リハビリスタッフとして申し送りを書く機会は少なくありませんよね。
私も最初の頃は、とにかくこれまでの経過や評価結果を細かく書けばいいのかな?と思い、ダラダラと長い文になってしまうことがよくありました。
でも、ある時ふと気づきました。
受け入れ先のスタッフが本当に知りたいことって、何だろう?
◼️ 受け入れ先のスタッフはどこを見ている?
実際に、転院先のスタッフと話をして聞いた意見をまとめると、ポイントは意外にもシンプルでした。
キーワードは 「現状」と「リスク」 です。
具体的には、この4つです。
① 現在のADLレベル
いま、この患者さんはどこまで自立していて、どこから先は介助が必要なのか?
食事、トイレ、入浴、更衣、移動などのレベルは、現場のスタッフが一番気にするところです。
特に「何人介助が必要か」「夜間に一人で動いてしまうのか」などは重要です。
② 移動手段と安全性
車椅子なのか、歩行なのか?
歩行なら杖を使うのか、段差や坂道は可能か?
転倒リスクが高いかどうか、動作中にどの程度の見守りが必要か?
ここが不明だと、受け入れ先はとても不安になります。
③ 注意すべきリスク
例えば、
• 転倒のリスクが高い
• 褥瘡がある、または褥瘡のリスクが高い
• 認知症で逸脱行動がある
• 痛みが強く動けない
など、現場スタッフが「特に気をつけるべきポイント」を明記すると、喜ばれます。
あと、これはリスクではないですが、患者のリハの受け入れについてを書いてくれると助かります。(まあこれは担当者の対応が悪い場合もあるのでなんとも言えませんが)
④ リハビリの目標と伸びしろ
これも大事!この内容で担当者の力量がハッキリ表れてしまいます。
これまでどのような目標でリハを進めてきて、今どこまで到達しているか?
さらに「今後どこを伸ばしていくと良いのか?」が書いてあると、受け入れ側のリハスタッフも方向性を立てやすいです。
◼️ 経過は「簡潔に」でOK
これまでの経過や入院時の詳しい評価結果も大切です。
特に進行性の患者さんなどは経過が非常に大切ですし、意味を持ちます。
しかし多くの患者の場合、それは医師の申し送りを見れば十分です。
リハビリの申し送りでは、「現在の状態をスナップショットで伝える」イメージで十分だと思います。
「入院後○週間は臥床、○週目からリハ開始、現状はここまで到達」という程度で簡潔にまとめると読みやすくなります。
◼️ 申し送りを書くときのコツ
・事実を端的に書く(主観的な感想は控える)
・ 数値やレベルを添える(例:FAC3、歩行距離20m)
・ 「現場が準備できる情報」を優先する
・ 禁忌や特別な配慮が必要なことがあれば必ず書く
◼️ まとめ
私たち理学療法士はつい「経過をしっかり書かなきゃ」と考えがちですが、受け入れ先の立場に立ってみると、知りたいのは「現状、何ができて、何に注意すべきか」です。
この視点を意識して書くと、読みやすく、実務に役立つ申し送りができます。
これから転院の申し送りを書くときはぜひ、受け入れ先のスタッフに「これなら安心して迎えられる!」と思ってもらえるような内容を意識してみてくださいね。
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