リハビリを嫌がる人の心理と、その対応法

リハビリを嫌がる人の心理と、その対応法

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リハビリを嫌がる人の心理と、その対応法

日々のリハビリの現場では、「患者さんがリハビリを嫌がる」という場面に何度も出会います。

リハビリをしてほしいセラピスト側の気持ちと裏腹に、首を横に振る患者さんの姿を見て「なんでやる気がないんだろう…」と悩む人も多いでしょう。

でも、患者さんがリハビリを嫌がるのには、ちゃんと理由があります。

今日は、そんな心理と対応のコツを、現場の経験からお話しします。

◼️ リハビリを嫌がるのは、自然なことなのだろうか

病気やケガで体が思うように動かなくなり、毎日不安な気持ちで過ごしている患者さん。

リハビリを「やった方がいい」ということは、頭ではわかっていても、心がついていかないことも少なくありません。

そんな時に無理やりやらされると、ますます拒否感が強くなってしまうことも…。

僕自身のことを思い出しても、やる気が起きない日もありました。

まずは、「嫌がるのは自然な感情」と、セラピストが理解することが大切です。

◼️ リハビリを嫌がる心理には、こんな背景が…

患者さんがリハビリを拒む理由は、人によってさまざまです。

僕が現場でよく出会うパターンをいくつか紹介しますね。

・不安や恐怖

「痛い思いをするんじゃないか」「やったら悪化するんじゃないか」という恐怖心です。

特に一度痛みを経験した人は、次も同じ思いをするのではと怖くなります。

・諦めや無力感

「どうせ治らない」「もう歳だから…」と諦めてしまう人も少なくありません。

先が見えない中で、努力する気力がわかないのです。

まあ、100歳近い患者さんに「もう先はないから、今のままでいいです」と言われると、それ以上説得する意味が果たしてあるか疑問に感じますね。

そんな時は「十分努力しましたね」って思わず言いたくなります。

 

・恥ずかしさやプライド

「できない姿を見られたくない」「情けない自分を見せたくない」という気持ちです。

特に周りに家族やスタッフが多いと、羞恥心から拒否することもあります。

患者だった僕の場合は、正にこれでした。

転院してから自分の職場でリハビリをしたのですが、スタッフは全員顔馴染み。

情けない自分の姿を同僚に見られることは、非常に辛いことでした。

・過去の嫌な経験

「前に痛かった」「嫌なスタッフに当たった」など、過去の経験がトラウマになっている場合もあります。

嫌な体験は後々まで残るものです。

・病気に対する誤解

「自然に治るからやらなくてもいい」と思っているケースもあります。

高齢者の方はこのように考えている方が多いような気がします。

ある意味楽観的とも言えますが、単なる情報不足な場合もあります。

◼️ 心理に寄り添った対応法とは?

では、嫌がる患者さんにどう関わればいいのでしょうか?

ポイントは、「理由に合わせて、寄り添う」ことです。

ただ寄り添っても、白けてしまいます。理由に合わせることが大切。

 

・不安な人には

▶︎ どこが怖いのかを聞き、痛みが不安ならば「痛みは調整しながらやりますよ」安心感を。

小さな動きから始めると安心です。

・諦めている人には

▶︎ 大きなゴールではなく、例えば「今日は10分座ることができればOK」というように、達成しやすい目標を提案します。

・恥ずかしがる人には

▶︎ 人目が少ない環境を整えたり、できる範囲を尊重するなど、プライバシーに配慮します。

個室があればOKです。

・過去に嫌な思いをした人には

▶︎ その体験を聞き、「今回はこういうやり方でやります」と伝えて、安心してもらいます。

自分は違いますよというアピールをさりげなく。

あくまで押し付けがましくなく。

・誤解している人には

▶︎ なぜ今リハビリが必要なのか、かみ砕いて説明します。

その人に理解しやすい言葉を用いましょう。

未来の生活にどれだけ影響するかを伝えると、前向きになりやすいです。

 

◼️ セラピスト側の心構えも大切です

リハビリを拒む姿を見ると、つい「やる気がない」「協力的じゃない」と感じてしまいがちです。

カルテを見ると「リハに拒否的」という記述をよく見かけます。

でも、患者さんの背景を知ると、必ずしもそうではないことがわかります。

焦らず、その人のペースに合わせて、一歩ずつ進めることが大切です。

僕自身も、「嫌がるのは、その人なりのサイン」と思って接するようにしています。

 

◼️ おわりに

リハビリを嫌がるのは、人間として自然な感情です。

その背景を理解して、無理強いするのではなく寄り添うことで、患者さんの心が少しずつほぐれ、前向きな一歩につながっていきます。

「できる範囲からで大丈夫。今日はここまでやってみましょう!」

そんな言葉が、患者さんにとって大きな支えになるかもしれませんね。

 

最後まで読んでいただき、ありがとうございました。

 

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