「看護師」と「理学療法士」—なぜ“師”と“士”で違うの?

「看護師」と「理学療法士」—なぜ“師”と“士”で違うの?

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「看護師」と「理学療法士」—なぜ“師”と“士”で違うの?

医療や福祉の現場で働く専門職の名称には、「医師」「看護師」のように“師”が使われるものと、「理学療法士」「介護士」のように“士”で終わるものがあります。

この違い、不思議に思ったことはありませんか?

僕が感じるイメージは、「師」は師範のような熟練者。対して「士」は武士のような強いイメージを漠然と持っていました。

また、実際病院の現場では「師」と言われる人の方が偉いのかなあ(特に医師や看護師)と素朴に感じることはあります。

ですが、事実はそういうことではないようです。

今回は、「師」と「士」の違いについて、歴史や制度の視点からわかりやすく解説しますね。

 

■ 「師」とは——指導や高度な専門性の象徴

「~師」という名称は、古くからある専門性が高い職業に多く見られます。

たとえば…

• 医師

• 看護師

• 薬剤師

• 教師

これらの職業は、国家が厳しく資格や教育制度を管理してきた歴史ある専門職であり、人を導く「師範」のような意味合いも含まれています。

なるほど。

特に「医師」は中国の官職名にルーツがあり、古代から特別な専門家として扱われてきた背景があります。

 

■ 「士」とは——実務を担う有資格者の称号

一方で「~士」は、近代になって制度化された職業に多く使われています。

たとえば…

• 理学療法士

• 作業療法士

• 介護士

• 保育士

• 弁護士

• 税理士

「士」は、武士兵士のように、一定の能力や資格を持って仕事にあたる人を意味します。つまり、専門的な知識や技術を持った実務者、プロフェッショナルというイメージです。

■ 明確なルールはあるの?

以上のことを踏まえてもモヤモヤしませんか。医師だって専門的な知識を持った実務者でしょうし。

実は、「師」と「士」に明確な使い分けのルールはありません。

多くの職業名は、それぞれの資格制度が作られたときに、法律や行政によって名称が決められたのです。

たとえば…

「理学療法士」という名称は、1965年に制定された「理学療法士及び作業療法士法」によって決まりました。

• 一方、「看護師」は、2002年に「看護婦」「看護士」という性別による呼び方を統一するかたちで改正されました。

つまり、「いつ・どのように制度化されたか」によって、“師”と“士”の違いが生まれたのです。

表に表してみると・・・

接尾語

意味

使用例

特徴

導く人・伝統的専門職

医師、看護師、薬剤師、教師

歴史・指導性・高度専門職

有資格の実務者

理学療法士、介護士、弁護士、保育士

近代職・実務的・専門スキル

■ 名前の違いに込められた背景を知ると…

「師」や「士」といった漢字の違いには、その職業が担ってきた歴史的な役割や社会的背景が反映されています。

普段は何気なく呼んでいる職業名ですが、その“名前”には、国家資格制度の成り立ちや、職業観の違いが隠れているのです。

私たち医療や福祉の専門職にとっても、自分の職業の「名前」に込められた意味を知ることは、専門性や誇りを再認識するきっかけになるかもしれませんね。

今回調べてみて非常に勉強になりました。

読んでいただいて、ありがとうございました。

 

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