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標準感染予防策(Standard Precautions)とは
標準感染予防策(Standard Precautions)は、「患者の血液、体液、汗を除く分泌物、排泄物、傷のある皮膚、粘膜など全て感染の危険を有するものとして扱う」ということです。
感染症対策の基本的な考え方であり、すべての患者に対して一貫して適用される予防策です。
だから対象する患者は、
・感染症のある患者→○やる!
・感染症不明な患者→○やる!
・感染症のない患者→○やる!
というわけで全ての患者が対象になるということです。
標準感染予防策は、特にコロナ禍において、その重要性が再認識されました。
具体的な内容を以下に詳しく説明します。
標準感染予防策の具体的な内容
1. 手指衛生
手洗いやアルコール消毒は感染予防策の中で最も簡単で、最も重要な手段です。
「1処置、1手洗い」が基本です。手袋は手洗いの代用にはなりません。手袋着用の前後に手洗いをしましょう。
手指衛生のタイミングは、 患者との接触前後、 汚染が疑われる物品や環境に触れた後、 マスクや手袋の着脱時などです。
手指衛生には石鹸と流水を使用し、少なくとも20秒間手を洗います。アルコール消毒の場合は、手全体に行き渡るよう擦り込みます。
ただし注意点としては、CD(クロストリジウムディフィシル)やノロウィルス等胃腸炎症状の患者はアルコール無効のため、必ず手洗いをしましょう。
※手洗いの記事は別にあります(→こちら)
2. 個人防護具(PPE)の使用
どこが汚染されるリスクがあるか予測しましょう!
• マスク:飛沫感染を防ぐため、医療用マスク(サージカルマスク)を着用。
• 手袋:血液、体液、粘膜、または損傷した皮膚に触れる際に使用。
• ガウン・エプロン:患者や汚染物質に接触する可能性がある場合に着用。
• フェイスシールドまたはゴーグル:飛沫や液体が顔に飛び散るリスクがある場合に着用。
※別バージョンは下に載せてあります↓
3. 呼吸衛生/咳エチケット
• 咳やくしゃみをする際はティッシュや肘で口と鼻を覆い、使用後はすぐに専用のゴミ箱に廃棄。
• 鼻をかんだ後や咳をした後は、必ず手指衛生を行う。
・咳をしている人にはマスクの着用をお願いする。
※咳エチケットについては、別記事をご覧ください(→こちら)
4. 器具・器材の適切な取り扱い
• 患者ごとに器具を使い分けるか、使用後は必ず洗浄・消毒する。(リハ職は血圧計やSpO2モニターですかね)
• 再利用可能な医療機器は、適切に消毒または滅菌する。内容
5. 患者環境の清掃と消毒
• 頻繁に触れる表面(ドアノブ、ベッド柵、モニターなど)は定期的に消毒。
リハビリでは、プラットホームの清掃はもちろん、リハ室で使用するベッド枕には専用のシートを使います。
• 消毒剤として、アルコール(70%以上)や次亜塩素酸ナトリウムを使用。
6. 適切な廃棄物処理
• 血液や体液に汚染された物品は、専用の廃棄物容器に廃棄。
• 使用済みの個人防護具も規定通り廃棄。
7. 患者の区分管理
• 感染のリスクが高い患者を分離(個室またはコホーティング)。
• COVID-19疑い患者は、陰圧室または適切な換気環境でケア。
感染防護具(PPE)のイラスト
感染防護具(PPE)のイラストを描いてみました。
感染対策の啓蒙の際にお使いください。
まとめ
標準感染予防策は、すべての患者や環境に対して常に適用することが基本です。
コロナ禍においては、エアロゾル感染対策を含めたさらなる対策の徹底が求められます。
感染予防の基本をしっかり実践し、安全な医療環境を維持することが重要です。
ありがとうございました。
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