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リハビリでは、患者さんが失敗体験をさせることも大切
リハビリテーションでは、患者さんが自主的に行うことが何より大切です。
いくらセラピストが頑張っても、患者さん自身がやる気になって自ら動こうとしなければ、効果を発揮することができません。
患者さんはできたことに喜びを感じて、次に段階に進もうという気持ちも高まります。
しかし初めから完璧にできる患者さんはいませんし、そうであればリハビリは必要ありません。
普通に、患者さんは失敗します。
以前できたことができないことを自覚し、落ち込みます。
そして、意欲も徐々に低下していきます。
それゆえ、ついついセラピストは患者さんに成功体験をさせることに重きを置くようになります。
患者さんが失敗する前に、手を出して介助をしてしまいます。
確かに患者さんの意欲を維持するためには、それは必要なことかもしれません。
ただここで大切なことは、失敗することはリハビリにとって必要な過程だということです。
失敗することは、先に述べた自分の状態を自覚することです。
患者さんが正しい動作や技術を身につけるためには、リアルタイムで正確な情報を得ること、つまりフィードバックが必要です。
フィードバックは、患者が自分の動作や進捗状況を理解し、改善点を把握するのに役立ちます。
例を挙げると・・・
例をあげて説明します。
例えば筋力低下でトイレが自立しない患者さん。
トイレは非常にデリケートな問題なので、できるだけ失敗しないように介助をすることが多いケースだと思います。
患者さんは『家に帰ればできるから大丈夫』だと、トイレ動作練習を拒否することもあります。よくありますね。
このような場合も、患者さんができないことを自覚しないと次に進めません。
歩行に関しても同じようなことがみられます。
『家では歩けるから心配ない』
よく聞く言葉です。
ですが、退院してから自宅で転倒して、再入院することも稀ではありません。
また、別の例。
例えば歩行時に引きずりがみられ、患者さん自身もそのことを気づいていない場合は、そのことを患者に伝える必要があります。
引きずっていても、歩ければいいと考える人もいますが、それでは長距離歩行は望めません。
セラピストと一緒に原因を考えます。
つま先を上げる筋肉の筋力低下があるのか、膝が十分に曲がらないことで、引きずりがみられるのならば、膝を曲げる筋肉を鍛えたら良いのか、または拮抗筋である伸筋を緊張を落とすような取り組みをしたら良いのか等々を考えながら、治療が進んでいきます。
失敗をして、その原因を考え、その原因に応じたリハビリのプログラムを遂行する…その繰り返しです。
動作を改善させるためには、患者さんの気づきが何より大切なのです。
失敗を自覚することは必要な過程なのです。
まとめ
以上、リハビリテーションにおいては失敗することは、改善するためには必要、ただし患者さんの気持ちが挫けない範囲で…という話でした。
その兼ね合いは、非常に難しいのですけれどね。
ありがとうございました。
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