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3月は別れのシーズン
なんだかしんみりしたタイトルですが、その通り。
3月は別れのシーズンです。
僕の職場でも多くのスタッフが異動になったり、退職したりしました。
僕がよく話をしていたスタッフも異動になりました。
彼とは臨床の話はほとんどしたことがなく、専ら映画の話ばかりしていました。
そんな彼が居なくなるのは、本当に寂しい。
職場復帰して、感じたコミュケーションの問題
話はちょっと変わりますが、僕が脳の障害を患って高次脳機能障害、失語症になって、職場に復帰したわけですが、最初は(今でもですが)、外国に居るような感覚に襲われました。
周りがザワザワと騒がしくて何を話しているのか分からない。
みんなが僕の知らない外国語を話しているように感じました。
一方、自分の話も彼らには通じない。
大袈裟ではなく、まさしく外国に紛れ込んだような孤立感を感じたのです。(それは今でも続いています。)
そんな時に映画の話をしてくれたのが、先に述べた彼です。
60年代、70年代の青春時代に観た映画のタイトルがポンポン飛び出すことに懐かしさと高揚感を感じました。
もう何年も言葉にしなかった映画のタイトルも自然に言葉にすることができました。
若い人は知らないと思いますが、『明日に向かって撃て』『俺たちに明日はない』『イージーライダー』などなど。
彼との会話で感じたことは、まさに長旅で外国でオロオロしている時に、突然日本人に会えたような感覚。
何ヶ月も日本語を話していない生活で、日本語で話せる喜びを味わった方には、その感覚がお分かりになるでしょう。
思わず握手をしたくなりました。つまらないどーでもいい話を延々としてしまいました。
多分周りから見たら、錯誤が多いヘンテコな会話だったと思います。
でも僕にとっては本当にありがたいことでした。
何気ない雑談が一番難しい
失語症患者は、孤独になりがちです。言いたいことが言えず、理解してもらえないことに苛立ちを感じます。
それをわかって欲しいと切に思います。
健常者が普通に行なっている何気ない雑談が1番難しいんです。
雑談をするには高度なテクニックが必要です。相手の背景、習慣、興味など把握しなければできません。
そう考えると、あらゆる背景を持つ患者さんとお喋りをするSTさんはすごいんですよね。
話をもとに戻します。
失語症患者は、例えると外国で同胞に会うようなことを求めています。
STでなくても、他のスタッフや患者のご家族の方々も、そんな気持ちで接してあげて欲しいと思います。
注)今回の話は難聴と失語症も持っている僕自身の感じることなので、失語症患者一般に通じるものではないかもしれません。それに失語症と言っても、症状は様々。各々症状が異なります。
ありがとうございました。
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