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『キャスター上げ』とは車椅子の前輪を両上肢を使って浮かせることで、後輪のみでバランスを保つ方法です。
脊髄損傷の対麻痺患者の方がそうやって段差を越えているのを、見たことがありませんか。
この方法を習得することで、介助者がいなくとも段差を越えることができ、生活範囲が大きく拡大できます。
しかし、習得することはなかなか難しい。
僕が理学療法学科の学生だった頃、車椅子の授業でキャスター上げの実技練習がありました。
リハビリで脊髄損傷の患者さんに指導する場面もあるので、必須なんですよね。
練習時間は1時間くらいだったのですが、半数以上のクラスメイトは出来ていたようです。
僕はというと残念ながら、出来ませんでした。
前方の駆動した車輪を勢いよく後方に引くことで、車輪が持ち上がる原理なんですが、後ろに転倒してしまうのではないかという恐怖心があると、大胆に引くことができなくなるんですよね。
実際後方に倒れて頭を打ったんですが、一旦芽生えた恐怖心がなくならず、それ以降は全くできなくなりました。
最初の体験は非常に大切だと実感しました。
ただ言い訳をさせてもらえらば、その当時使用した車椅子が車軸が後方に位置する普通型であったことも動作を難しくさせた原因だったのだと思います。
脊髄損傷の方用のタイプだったら、難なく出来たのだろうと想像します。
車いすキャスター上げのイラスト
車椅子駆動とキャスター上げのイラストを載せておきます。
色違いも。
追記
車いすのキャスター上げのポイントとしては、ハンドリムを引くのと同時に上体を前屈しバランスを取ることです。
そういう意味で体幹の機能の程度が非常に重要になりますね。
ありがとうございました。
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