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座位で食事をするの注意点
食事を摂る際、どんな点に気をつければ良いでしょうか?
もし自力で食べられるのであれば、食卓・デイルームで座って食べたいものですね。
今回は、椅子座位で食べる場合に気をつけることを簡単にまとめてみました。(ベッド上リラクリニングでの摂取はまた別の機会に)
僕は嚥下に関しては(他もそうだけど)特に知識が乏しいので、ちゃんと勉強したい方は、文献や成書、またはSTさんのブログを見たりした方が良いと思います。
この記事は、ちょっとした“とっかかり“となればいいなあ・・くらいの気持ちで書いてますので、そのところよろしくお願いします。
いきなり言い訳から入ってしまいました。
今回書いたことは基本的なことばかりですが、どれも食事に関わるスタッフが知っていた方が良いことです。
病院や施設でよく見る、いわゆる悪い姿勢を提示して、それに対して良いとされる姿勢を挙げていきます。
では、どうぞ。
【悪い座位姿勢の例】
・足底は床から浮いている。(座面が高すぎる?)
・座面が高く骨盤が後傾している。両坐骨と仙骨の3点支持している。
・テーブル位置が前過ぎる。
・体幹は前屈(胸椎の後弯が過剰)している。→腹筋群は弛緩する。
・その結果、頭を起こすため、頸部の前弯が過剰になっている。
頸部が過伸展となると、解剖学的に誤嚥が高まると言われています。(姿勢保持に動員される舌骨下筋群の調整ができなくなり、運動を阻害してしまいます。)
下に示したイラストのように、
・咽頭と気道の角度がより直線的なってしまい残留物が気道に落ちやすくなってしまう。(イラストでは青の矢印で提示しているように、食道ではなく気道の方に移行してしまうことがある)
・前頸部の筋肉が弛緩し、嚥下反射が出にくくなる。(赤の矢印で提示)
もちろん嚥下反射の問題は、筋肉の問題だけではありません。
加齢や疾患によりその嚥下反射の遅延が起こることもありますが、確実に姿勢の影響もその原因の1つです。
では、どのような姿勢に修正すれば良いでしょうか。
その反対ということです。
【良い座位姿勢の例】
・足底は床にしっかり着いている。
・股関節が約90度で、左右の坐骨に均等に体重が乗っている(イラストは描かれていない)
・体幹は過剰に前屈することなく、やや前傾位となっている。
・頸部の前弯も正常の範囲となっている。
・その結果、視線は食物をしっかり捉えることができる。
悪い姿勢の時に述べた解剖的位置関係についても、正常に近づくので、気道への落ち込みのリスクは少なくなります。
筋肉の緊張がいくらか緩和されることで、嚥下反射も改善するかもしれません。
終わりに
以上の点を、1つ1つチェックしましょう。
その対応は、備品を変えたり、クッションを使ったりと工夫で色々できますから、その場所にあるもので検討してみてくださいね。
今回ご紹介したのは、姿勢と嚥下の関係に関する一部分です。
嚥下は奥深いですね。
ありがとうございました。
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