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病院や施設で働いていると、便秘になる患者さんが多いことに気がつくと思います。
今まで在宅で毎日順調に排便できていた方でも、入院してベッド臥床が続くと排便が不規則になったり、全く出なくなることがあります。
身体を動かさないことで腸の動きも悪くなるのでしょうが、腸蠕動音は聞かれるのに便秘になる人も多くいます。
『お腹が張って苦しいから、リハビリはやりたくない』とか、
『今浣腸したとこだから、動けない』といったケースに遭遇したことも1回や2回でないはずです。
今回は、排便を促すエクササイズをイラストでご紹介したいと思います。
※なお、今回の資料、体操は、大腸肛門病センター高野病院の槌野正祐先生のものを参考にさせていただいています。
どこに便が溜まりやすいのか
小腸で食べ物を消化しながら大部分の栄養素を吸収し、大腸では水分やナトリウムを吸収します。
大腸は下のイラストのような走行をしています。
滑らかにカーブが描かれているわけではなく、急カーブや捻れが生じている場合もあります。
上行結腸と横行結腸の曲がり角、また横行結腸と下行結腸の曲がり角(捻れている場合も多いと)に溜まりやすいので、その部分にアプローチすることが必要です。
またS状結腸から直腸の曲がり角も同様です。
それら3箇所が通過しづらく、便が貯留しやすいです。
よってリハビリでは、それらの通過しづらいところを捻って動かしたり、マッサージで刺激を加えることを中心に行います。
運動の方法
【臥位で行う運動】
両膝を立てます。
両膝を右側に倒します。
伸ばされている側の側腹部(肋骨の下側)を左手でほぐします。
両膝を左側に倒します。
伸ばされている側の側腹部(肋骨の下側)を右手でほぐします。
これを繰り返します。
【座位で行う運動】
椅子に座ります。
両手を挙上します。(無理に挙げなくてもよい)
上体を右に捻ります。
左に捻ります。
これを繰り返します。
個人的な経験ですが、この体操はある程度効果があるような気がします。
頑固な宿便は難しいですが、3〜4日の便秘であれば解消したことも多くあります。
患者さんにも分かり易く簡単なので、積極的に取り入れるのはいかがでしょうか。
ありがとうございました。
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