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いつまでリハビリする?(終末期のリハビリ)
病院に勤めていると、入院した患者さんを看取るケースも少なからずあります。
リハビリは決して予後がいい人ばかりを対象とするのではありません。
終末期の人にも同様に対応します。
例えば緩和的な介入など、亡くなるその日までリハビリを行う時もあります。
僕はリハビリが介入することで、患者さんの苦痛が少しでも軽減できれば介入する意味もあると思って、
短い時間ながら世間話をしたり、マッサージをしたりしています。
しかし状態が悪化し、意識がなくなった患者に対してどのように対応すればいいのかいつも悩むところです。
医師に相談しても、「あー、いいよ。介入して」と普通に言われるだけで、
こちらの意図を理解しているとは思えない場合も多くあります。
そういう場合は心が折れそうにもなりますが、とりあえずは介入を続けます。
状態の悪化にともない、さらに辛い状況に‥
更に状態が悪化して、個室に移動、家族の付き添いが始まると、更に気が重くなります。
以前から家族と少しでも交流が有れば話は違いますが、
その場ではじめて会う家族の目の前で、意識のなくなった患者さんの手足を動かすのは精神的も辛いものです。
残された時間が多くないのに、その貴重な時間をリハビリが割くのも気が引けます。
家族と本人にとってかけがえのない時間ですから、
リハビリを行うより、やるべきことはたくさんあるはずです。
まぁ、中には「続けてくれてありがとう」と言ってくれる人もいますが。
また家族の中には、今まで訪問していたリハビリのスタッフが急に来なくなると、
それはそれで不安に思う人もいるので、
あくまで普通に今まで通り介入することも必要な場合もあると思います。
患者や本人の希望をしっかりと聞いておくことは大切
終末期のリハビリでも、本人や家族の意志や希望がハッキリしていれば物事はもう少しスムーズです。
例えば「最後に一回でも家に帰りたい」という明確な希望があれば、
リハビリのみならず、医師、看護師、ソーシャルワーカーが一体となって関わり、絵に描いたようなリハビリが始まります。
ですが、実際にはなかなかいかないケースも多くあります。
帰れる一瞬のタイミングを逃すと、本当に帰れなくなります。
予後告知のタイミング、普段から今後どうしたいかを聞いておくこと、患者さんとの信頼関係を築いて、本音を聞き出しでおくことが大切です。
それを押し付けではなく、本人の希望をいかに引き出すのが、
医療スタッフの腕の見せ所かもしれません。
※ちょっと話がそれますが、僕がインドで過ごしていた時に、終末期のシスターが祈るという仕事をしていると聞いて感銘を受けたことがあります。もし参考になればどうぞ(→こちら)
ありがとうございました。
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