ROMex(関節可動域練習)のやり方を、イラストで解説! その1

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ROMとは?

ROMとは、Range of motionの略語で、日本語では関節可動域という意味です。

動作を行うには、ある程度の関節の可動域(動かせる範囲)が必要です。

例えば、スプーンを口に運ぶには、肘が十分に曲がらなければなりませんし、

前腕を回外させることができなければ食べることも難しくなります。

病気や長期の臥床などによって関節を動かさないでいると、

関節を動かせる範囲(つまりROM)が狭くなってしまい、

その結果、動作ができない、またやりずらくなるということになってしまうのです。

 

ROMエクササイズの目的とは?ROM制限の原因は?

ROMエクササイズの目的は、拘縮の予防や改善です。

先ほども述べたように、関節を動かさないでいると、

関節を構成する軟部組織などが硬くなり、拘縮という状態になります。

リハビリでは、関節を適切に動かすことによって、その予防を・改善を行います。

やり方、力の入れ方などは、次に述べる制限の原因によって異なります。

 

ROM制限の原因は?

可動域の制限は、様々な原因から起こります。

原因の分類としては、Hoffaの分類が有名です。

Hoffaの分類では、皮膚性結合組織性筋性神経性などに分けています。

皮膚性の制限とは、身体の表面に存在する皮膚の伸張性が低下して起こるものです。

例えば熱傷や皮膚の外傷などで、皮膚が瘢痕化すると、

皮膚が十分に伸びないために関節の制限が起こってしまいます。

結合組織性の制限とは、結合組織(靭帯、腱、腱膜等)が制限となって起こるものです。

筋性の制限とは、骨格筋の短縮や萎縮が原因で起こるものです。

神経性の制限とは、神経疾患により起こる痙性が原因となるものです。

この分類は、項目に重複が見られることが問題です。

 

ROMエクササイズとは?(種類)

リハビリのスタッフなどが関節を動かす「他動的関節可動域運動」

自分で動かす「自動的関節運動」、

それらを同時に行う「自動介助関節運動」があります。

それぞれ目的に応じて、選択することが大切です。

 

ROMエクササイズの注意点

患者さんにより状態は異なりますので、症状や訴えを聞きながら、ゆっくりと行います

基本的に気をつけた方がいいことを、箇条書きにまとめました。

 

①まずは評価を行い、患者のだいたいの可動域を把握しておく。

②痛みのない範囲で行う。(どんな痛みであるかによって、中止もあり。)

③禁忌の確認(術後の患者など、安静固定が求められていないか等)

④無理な方向に動かさない。(医療関係者なら大丈夫かな)

 

何度も書きますが、患者かの訴えを聞きながら、ゆっくりと行うことが大切ですね。

 

ROMエクササイズの方法

では、代表的な関節のROMexのイラストを描きましたので、

簡単に解説をしていきますね。

今回は下肢を2つ、上肢を1つです。

患者さんのご家族に指導するケースもあるとおもいます。

是非、ご活用ください。

 

股関節・膝関節の屈曲・伸展

股関節と膝関節の屈伸運動です。

膝と踵を下方から支え、下肢全体を持ち上げます。

そしてそのまま、膝を胸の方に近づけていきます。

膝、または股関節のうち、どちらかに制限が強い場合は、

それ以上行わないでください。

例えば膝が硬い場合は、そのまま股関節のみの運動を行うように、

股関節が硬い場合は、そこから膝の運動に切り替えていくとか。

臨機応変に。

 

股関節の屈曲(SLR)

膝を伸ばしたまま、股関節を屈曲する運動です。

踵と膝を持って、膝の伸展位を保ちながら、挙上します。

大腿後面の張り具合を確かめながら、上げられるところまで行います。

この運動は、椎間板ヘルニアの検査にも使われます。

70度未満の角度で坐骨神経に沿った疼痛が出現した場合は、陽性判定で、

L4-5、L5‐S1の椎間板ヘルニアが疑われます。

 

肩甲骨の運動

肩甲骨は胸郭の上に存在しますが、かなり自由に動きます。

前傾、後傾、上方回旋、下方回旋、内旋、外旋、内転、外転、挙上、下制など様々です。

肩の運動をする前に、肩甲骨の動きを確かめながら動かすと良いでしょう。

肩甲骨を上方と下方から包み込むように把持します。

そのまま上方、下方、内転、外転、内外旋などの方向に動かしてみましょう。

 

お詫びと言い訳

ROMエクササイズと言っても奥が深く、簡単に紹介できるものではありません。

僕が今回ご提供したかったのは、イラストですので、詳しく知りたい方は成書をごらんくださいませ。

 

では、また(と言いながらこのシリーズはもう1回続きます。→こちら

ありがとうございました。

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