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何度か登山らしきものをしていると、
毎回晴天下でというわけにはいきません。
時には、雨天の中を歩かなければならないことがあります。
僕はこの前、初心者用のハイキングコースを歩く機会がありました。
晴天ならば視界が開けて、白馬の三山がくっきり見える最高のコースなのですが、
僕が登山口に着いたときには、既に霧で視界がほぼゼロ状態。
小雨も降ってきました。
生憎な天気だなぁと思ったのですが、
せっかく来たのだからと、とりあえず歩き始めました。
それほどアップダウンがあるわけではありませんでしたが、
なにぶん地面がぬかるんでいて、
気を許すと滑って転びそうになります。
自ずと視線は地面にばかりを向くことになります。
景色を眺めながら散策をしているはずが、
今にも滑りそうな地面と、縦横無尽に這っている木の根につまずかないようにと、
視線は地面に釘付けです。
まあ、上を向いても視界が開けているわけでもないのですけどね。
そのコースは、ブナの木が生い茂っており、
やや薄暗い感じがしますが、そのせいもあって、
雨が降っていても、それほど濡れないというのは驚きでした。
雨の音の割に、肩に落ちる雨粒は僅かです。
しばらく歩いていると、
明らかに雨の音が変化していることに気がつきました。
音がそれほどしない時もあると思えば、
ポタポタと音がする時、
ザザッという音とともに大粒の雨が落ちてくる時もありました。
見上げてよく観察すると、
木の種類、葉っぱの形の違いで
雨の音や落ち方が変わっているようでした。
ブナの木の下を歩くときと、
葉っぱが巨大な朴の木の下を歩くときとでは、
明らかに音が違うのです。
新鮮な驚きでした。
僕は耳が悪いので、その辺りが敏感ではありませんが、
多分普通の人が聞いたら、違いにびっくりするでしょう。
音の違いを聞き分けて、木肌を見て、葉っぱを見上げて、木の名前を確認する…
その繰り返ていると、音だけで木の種類まで何となくわかるようになります。
雨が落ちる地面の様子によっても、音が変化して、
それは複雑です。
熊笹の上に雨が落ちると、
また不思議な音がして、面白いですよ。
白馬の勇壮な姿を拝むことができなかったのは、残念でしたが、
別な山の楽しみ方を学んだ、いい体験となりました。
お試しあれ。
ありがとうございました。
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