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僕がインドから帰国する前日に、
あるシスターがこんな言葉をかけてくれました。
「あなたはインドが大好きになって、
インドの人のために献身的に尽くしてくれたことに感謝します。
ですがあなたにとってすべきことは、
もっと身近な人に愛を持って接することです。」
その時までは、再度インドに戻る気マンマンで、
学校を卒業したら直ぐにでもインドを目指そうと思ってました。
そのくらいインドが好きでしたし、インドの生活は充実していました。
そのシスターの言葉は、ちょっと驚きでしたし、
僕の熱した気持ちに冷や水をかけられた気もしましたが、
その言葉のおかげで、僕自身は少し冷静になることができたように思います。
僕がしたいことはインドでなければいけないのか、
日本ではできないのか…。
どこの国にいても、心を込めて仕事をすれば同じではないのか…。
もう一度自問しなければいけないと思いました。
マザーテレサも過去に以下のように語っています。
「日本人はインドのことよりも、
日本のなかで貧しい人々への配慮を優先して考えるべきです。
愛はまず手近なところから始まります。
まず身近なことから始めてください。」
日本人の精神的貧しさに言及したものですが、
本当にその通りだと思います。
マザーテレサによると、
日本人は物質的には豊かですが、精神的貧しさを抱えているとのことです。
精神的な貧困は、ある意味物質的貧しさよりタチが悪いとか。
身近な人に愛を与えることは、遠くの誰かに愛を与えることと同じです。
いや、更に大切かもしれません。
結局そのあと、1回インドに行ったのみで、海外にも行かなくなりました。
熱病にかかったように「海外、海外」って言ってたこともウソのような変わりようでした。
海外で働ける人を羨ましいと思うことはありましたが、その程度でした。
場所は関係ない。
どこで働いていても、目の前の人に自分のできる限りの事をする。
それで十分であることに、遅まきながら気がついたのです。
将来、退職したら、もう一度インドに向かうことになるかもしれません。
そのときは、シスターに日本で行えたことを報告出来たらいいな‥と思います。
※原稿を書き終わって、思い出したんですが、
僕は10年前くらいに、一度仕事を辞めて、インドに戻ろうと試みたことがあります。
青年海外協力隊に応募費して、あとは面接と健康診断となったときに、
高血圧が原因で落とされてしまったんです。
詳しくはまた別の機会に書きたいと思います。
ありがとうございました。
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