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棒体操のやり方|座ってできる運動を中心に11種類をイラストで紹介
リハビリやデイサービス、健康教室などでよく行われる運動の一つに、「棒体操」があります。
名前のとおり、棒を両手で持って行う体操です。
専用の道具が必要なわけではありません。
軽くて握りやすいものであれば、体操用の棒だけでなく、家庭にあるものを利用することもできます。
昔、この記事を書いたときには、
「新聞紙を丸めてガムテープでとめれば簡単にできます」
なんて書いていました。
これは今でも使えますね。
デイサービスなどでは、みんなで棒を作るところから始めても面白いかもしれません。
以前は、この棒体操を3回に分けて紹介していました。
今回はその3本をまとめて、棒体操の目的や注意点も加えながら、改めて紹介したいと思います。
そもそも、棒を持つ意味はあるの?
「腕を上げるだけなら、棒なんていらないのでは?」
と思うかもしれません。
確かに、その通りです。
棒がなくてもできる運動はたくさんあります。
それでも棒を使うのは、両手を棒でつなぐことで、左右の腕を一緒に動かしやすくなるという特徴があるからです。
「上に上げる」
「左右に動かす」
「身体をひねる」
といった運動の方向も意識しやすくなります。
また、一人で腕を動かすよりも「体操をしている」という感じが出るので、集団体操にも取り入れやすいと思います。
ただし、
棒を持てば正しい運動になるわけではありません。
肩だけ動いて体幹が動いていなかったり、痛いのに無理に大きく動かしたりすれば、目的とは違った運動になります。
大切なのは棒そのものではなく、
「何を動かしたいのか」
を考えながら使うことです。
棒体操を始める前に
今回は、椅子に座ってできる運動を中心に紹介します。
座って行えば転倒の危険を減らしやすく、腕や体幹の運動にも集中しやすくなります。
安定した椅子を使い、基本的には両足を床につけて行いましょう。
棒は重いものである必要はありません。
むしろ最初は、軽くて握りやすいもので十分です。
運動中に肩や肘などの痛みが強くなる場合には、「体操だから」と我慢して続けないようにしてください。
肩の手術後や骨折後などで動かしてよい範囲に制限がある場合は、主治医やリハビリスタッフの指示を優先してください。
そして、ここで紹介する運動を全部やる必要もありません。
身体の状態や目的に合わせて、できるものを選んでください。

肩・腕を動かす棒体操
まずは、上肢を中心に動かす体操からです。
1.棒を上に持ち上げる
椅子に座り、身体の前で棒を両手で持ちます。
そこから、ゆっくり棒を上へ持ち上げます。
肩関節を動かす基本的な運動です。
胸を張って行うと、腕だけではなく身体の前側を伸ばす運動にもなります。
ただし、
「高く上げれば上げるほどよい」
わけではありません。
痛みや動かせる範囲に合わせて行いましょう。

2.肘を曲げ伸ばしする
棒を両手で持ち、肘を曲げたり伸ばしたりします。
動きとしては非常に単純です。

3.棒を前へ押し出す
胸の前あたりで棒を持ち、両腕を前方へ伸ばします。
そして再び肘を曲げて元の位置へ戻します。
単に肘を伸ばすだけでなく、
「棒を前へ押し出す」
ように意識すると分かりやすいでしょう。
肩甲骨周囲の動きも意識しながら行ってみます。

4.頭の後ろまで棒を動かす
棒を身体の前から上方へ持ち上げ、そのまま頭の後ろへ動かします。
肩関節の動きが大きく必要になる運動です。
肩の可動域が小さい人や痛みがある人には難しい運動です。
無理に頭の後ろまで持っていく必要はありません。

体幹も一緒に動かす棒体操
棒体操は腕だけの運動ではありません。
棒を目印にすると、身体を横へ倒したり、ひねったりする運動にも利用できます。
5.体幹を横へ倒す
棒を両手で持って上へ持ち上げます。
そこから身体を左右へゆっくり倒します。
ここで注意したいのは、腕だけを横へ動かして終わらないこと。
脇腹が伸びるようなイメージで、体幹そのものを横へ倒します。
骨盤が大きく浮いてしまわないようにすると、体幹の側面を動かしやすくなります。

6.棒を左右へ振りながら身体をひねる
棒の両端を持ち、腕を前へ伸ばします。
その状態から棒を左右へ動かしながら、身体も一緒にひねります。
ここでも、
「棒を動かす」のではなく「身体も一緒に回す」
のがポイントです。
目線も少し棒についていくようにすると、体幹を回旋させやすくなります。
ただし、めまいがある人などは、頭を大きく動かすことで症状が出る場合があります。身体の状態に合わせて行ってください。

7.棒を背中側に構えて身体をひねる
棒を身体の後ろ側に回し、両肘あたりで支えるようにします。
その状態で身体を左右へひねります。
腕を前へ出して行う方法とは、また少し違った感覚になります。
肩が痛い人や、腕を後ろへ回しにくい人には適さないことがあります。
無理にこの姿勢を作らなくても構いません。

8.身体を前へ倒す
両手で棒を持ったまま、身体をゆっくり前へ倒します。

少し変わった棒体操
ここからは、少し違った使い方を紹介します。
9.身体の後ろで棒を持ち、腕を持ち上げる
身体の後ろ側で棒を両手で持ちます。
そこから、無理のない範囲で棒を後方へ持ち上げます。
肩関節の伸展方向の運動になります。
肩の前側につっぱりや痛みが出る場合には無理をしないようにします。
身体を大きく前へ倒して無理やり棒を高くするのではなく、どこを動かしているのかを意識して行いましょう。

10.剣道のように棒を振る
棒を持ち、剣道の素振りのように振り上げて下ろします。
若い頃に剣道をしていたという方なら、
「昔やったなあ」
と思い出すかもしれません。
単調な体操より、こうした意味のある動作の方が楽しく取り組める人もいます。
ただし、集団で行う場合は周囲との間隔を十分に取ってください。
隣の方を叩かないように注意が必要です(笑)。

脚を使った棒体操
11.座って棒をまたぐ
棒を床に縦方向に置きます。
椅子に座った状態で脚を持ち上げ、棒を左右にまたぎます。
両脚を同時に動かすのが難しければ、片脚ずつでも構いません。
股関節を曲げて脚を持ち上げたり、座った姿勢を保ちながら脚を動かしたりする運動になります。
棒の高さを変えると難易度も変わります。
最初は低いものから行いましょう。

座ってやる? 立ってやる?
ここまで座位を中心に紹介しましたが、身体機能によっては立って行うこともできます。
立位にすると、腕や体幹だけではなく、立位保持や重心移動も運動に加わります。
ただし、一つ注意があります。
棒を両手で持っていると、とっさに手をつきにくくなります。
バランスを崩したときに、棒を持ったままでは身体を支えられないことがあります。
ですから、
「立てるから立ってやりましょう」
ではなく、
棒を持った状態で安全に運動できるか
を考える必要があります。
バランスに不安がある人は、まず座って行う方がよいでしょう。

棒体操は「大きく動けばいい」わけではない
体操というと、
「もっと大きく!」
「もっと伸ばして!」
と言いたくなることがあります。
でも、リハビリでは必ずしも大きく動かすことが目的とは限りません。
肩に痛みがある人。
関節可動域に制限がある人。
手術後で動かせる範囲が決められている人。
体幹を動かすとバランスを崩しやすい人。
人によって条件は違います。
大切なのは、
棒をどこまで動かしたかではなく、その人が何のためにその運動をしているのか。
だと思います。

集団体操なら「楽しさ」も大切
棒体操は、病院だけでなく、デイサービスや高齢者施設、健康教室などでも取り入れやすい運動です。
その理由の一つは、みんなで同じ道具を持って、一緒に動けることです。
音楽に合わせる。
掛け声を入れる。
左右交互に行う。
剣道の素振りのように、昔経験した動作を取り入れる。
そんな工夫をすると、単なる「訓練」とは少し違ったものになります。
運動にはもちろん目的があります。
でも、
続けられること、楽しめることも大切です。
特に高齢者の集団体操では、運動効果だけを追いかけるより、
「今日もみんなで身体を動かした」
という時間そのものに意味がある場合もあると思います。

まとめ|棒一本でも、いろいろな運動ができる
以前は3回に分けて紹介していた棒体操。
今回まとめ直してみたら、ずいぶんたくさんありました。
正直、3回も書いていたのか、と自分でも思います(笑)。
棒体操のよいところは、特別な機械がなくても始められることです。
一方で、
棒を使えば効果的な運動になるわけでもありません。
肩を動かしたいのか。
体幹を動かしたいのか。
脚も使いたいのか。
座位で安全に運動したいのか。
みんなで楽しく身体を動かしたいのか。
目的によって、選ぶ運動は変わります。
今回紹介した11種類を、全部行う必要もありません。
自分の身体に合ったものをいくつか選んで、無理のない範囲で行ってみてください。
病気やけがの後、手術後などで運動方法に迷う場合には、主治医やPT・OTなどに相談してくださいね。
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