腹臥位(プローンボード)への移乗介助方法 〜カフアシスト実施のために〜〜

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僕が勤務している病院では、人工呼吸器を使用している利用者の方々がレスパイト目的で入院することがあります。

その方々は在宅で人工呼吸器を使用して生活をしていますが、痰の除去が大きな問題となり、入院中も排痰目的でリハビリが処方されます。

効果的な排痰のためには、腹臥位にをとることが効果的です。

腹臥位になることで、背中側に貯留した痰の移動を促して、更にカフアシスト吸引を行います。

しかし人工呼吸器を使用したり、胃瘻(経管栄養)がついていたり、身体に変形があったりと、腹臥位になるためには様々な制限があります。

そのため腹臥位のために特別な装置(プローンボード)を使用する方も多いです。

今回、人工呼吸器を装着、胃瘻がある利用者さんの腹臥位保持装置(プローンボード)の移乗介助方法についてイラストで解説をしたいと思います。

 今回使用するプローンボードはこのようなものです。(下図)

今回は、看護師2名、セラピスト2名(計4名)で行う方法をご紹介しますね。

ただこの方法はあくまで一症例のケースなので、全ての患者に対応するものではないということをご承知おきくださいませ。

 

1.ライン(モニター類)を外す。

体位変換前に、看護師が人工呼吸器を外す。 また心電図などのモニターを外す。

膀胱内カテーテルがある場合は、両下肢の間に置いておく。

エア抜きが必要な患者の場合は、あらかじめシリンジに接続するチューブを装着しておく。

セラピスト2名と看護師1名が頭頚部~上半身、体幹、下肢に配置して利用者を持ち上げる。

 

2.ベッドの端に移動させる。

持ち上げた後に、ベッドの端に移動させる。

3.スタッフ3名で利用者を持ち上げた後に 、1名がプローンボードをベッドに置く。

 4.プローンボードの端に利用者を一時側臥位の状態で乗せる。(気管切開部分がボードにあたらないように、また胃瘻部とホールの位置が一致するように、位置を微調整する。)

5.カニューレ部分と胃瘻部の位置を調整しながら、利用者を腹臥位にする。(転がすのでなく、持ち上げて乗せるように) 

※このとき利用者の上肢が巻き込まれないように介助する。

 

6.モニター類を装着させて、バイタル確認。SpO2が低下していたら、アンビューバッグで換気を促す。

 

7.バイタルが安定したのを確認して、カフアシストに接続させる。接続時間や回数、スクイージングの有無は医師の指示に従う。

気管切開をしていない場合はマスクを装着する。スクイージングの有無、回数は医師の指示通りに。

排痰1セットごとに、吸引を行う。必要な場合はその都度、エア抜きを行う。

 

 

8. 排痰、吸引が終了したら、ボードを外し、ベッドの背臥位の状態に戻す。戻す際は逆の手順で行う。

 

終わりに

今回、1例を取り上げて基本的な方法をお示ししました。

繰り返しになりますが、患者さんそれぞれに特徴があり、やり方も異なる部分もあると思います。

医師の処方内容を確認して慎重に行ってくださいね。

 

ありがとうございました。

 

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