〈スポンサーリンク〉
確かNHKだったと思うのだけど、難聴者当事者が出演して、就労について議論をする番組がありました。
その中である難聴者が、あえて難しいと思われるカフェのホールスタッフをやっているという話がありました。
彼女曰く、最初はオーダーが聞き取れないことが多く、やはり接客業は難しいと改めて感じたとのことでしたが、
障害を持っていることをオープンにしたところ、理解を得られて逆に働きやすくなったとのことでした。
「私は聾者です」と書かれた名札をつけて、お客さんの協力を促したのです。
これはある示唆を与えてくれます。
お客さんが障害を理解し、オーダーの仕方を変えるだけで、彼女の障害は無くなり、問題なく接客業を遂行できたのです。
僕も片耳難聴を抱えていますが、新しい患者さんを担当するときに毎回自分の障害を説明しなければならないことにストレスを感じます。
スタッフ同士でも、十分に理解されることはありません。
何百人といるスタッフ一人一人に説明するわけにもいかず、そのことで誤解を受けたこともあります。
思い出したくもないですが、こんなこともありました。
ある患者さんの病室で、そこにいた看護師から何か言われたものの、何を言われているのかわからずモゴモゴしていたら、イラついた看護師は僕の近くまでツカツカと来て、無言でティッシュペーパーの箱をぶん取ったこともありました。
ただ、僕の近くにあったティッシュペーパーを取ってもらいたかっただけらしいのですが(感じの悪さMAXです)。
小さなことでもチリも積もれば…てな感じで心が病んでいきます。
そうしたことを改善すべく、
自分が難聴であることを示すギミックの補聴器をあえてつけたこともありました。
僕の片耳は全廃でそもそも補聴器の適応にはならないのですが、補聴器のサンプルを業者からもらってつけてみたのです。
いちいち説明する事なしに、僕の障害を理解してくれたらなあという淡い期待からでした。
業務中に少し大きい声で話しかけてくれるとか、聞こえる方の耳の方から話しかけてくれるといった配慮をしてくれるだけで、僕の労働環境は大幅に改善しますから。
でも実際は、補聴器が小さいこともあって、ほぼ気づかれませんでした。
元々音が聞こえないので、僕自身補聴器が外れても気づかずに無くしてしまったこともあり、それは断念せざるを得ませんでした。
こんなことしなくてもいいような世の中になればいいのだけれど、現状それは難しいでしょう。
障害の理解が進むことをただ待つのではなく、
障害者の方から積極的に発信していくことが大切だと思います。
「〇〇の配慮があれば働けます」
という発信が、難聴者に限らず障害者から発せられることを期待します。
僕も、心が折れない範囲で発信をしたいと思います。
最後まで、読んでいただき、ありがとうございました。
〈スポンサーリンク〉