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一般に、病院ではこんなことが言われています。
「スリッパは、病院での転倒事故の原因の一つになっている」
入院時のパンフレットにも、
「転倒事故防止のため、スリッパはお控えください。踵のある靴をご用意してください。」
と書かれていることが少なくないと思います。
転倒防止のために、病院で様々な取り組みがなされていますが、
スリッパ禁止もその一環です。
でも、これって本当にそうでしょうか?
スリッパの使用が本当に転倒を起こしているんでしょうか?
踵のある靴を履いていたからといって、転倒が起きないわけじゃあありません。
踵を靴に入れるのを面倒くさがって、踵部分を踏んずけてしまっている患者さんいませんか?
かえってふらついたりして、危ないなあなんて思うこともあります。
実際僕の担当の患者さんも、
靴を半分履いた状態で歩き始めて、そのまま転倒した人がいました。
高さの合わないベッド上で靴がうまく履けなくて、
バランスを崩して転落した人もいます。
こんな例を考えてみると、
一概に踵のある靴が安全とは言えないな~と思います。
もちろん文献ではスリッパと転倒の因果関係を論じたものもあって、
実際、転んだ人も多数いたんだろうと思います。
「じゃあ、結局どっちがいいのか分からないじゃん!」と言う声が聞こえてきそうですね。
この場で僕がどっちがいいと、結論を出そうっていう話でもありません。
今回僕が言いたかったのは、こうと決めることが大事ではなく、
決めた後も考え続けることの必要性です。
「この場合はこうだ」、「この場合はああだ」というように、
一つ一つ考えていくことこそ重要だと思うのです。
常に考え続けることこそ大事なのです。
人は決めたとたんに、考えることをやめがちになりますからね。
思考停止が一番悪いということです。
この場合も、他の病院のデータから、
スリッパをやめることになったまではいいでしょう。
ただそこで終わりではなく、
次の段階、例えば靴を履くときに生じるリスクについても考えていく‥
そのように個別にリスクを考えていくことが大切だと思います。
皆さんも、一緒に考えていきましょう。
真面目な話にお付き合いしていただきまして、ありがとうございました。
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